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【首都圏】

新宿のジャズクラブオーナー 40周年を迎え本出版

著作を手に、40年間の思いを語る幸田稔さん=東京都新宿区新宿のジャズスポットJで

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 渡辺貞夫さんや山下洋輔さんら世界的奏者がステージに立った東京・新宿のジャズクラブ「ジャズスポットJ」が10月、開業40周年を迎えた。多彩な個性が混じり合う新宿の文化を支えた店で、開いたライブは1万2000回。オーナーの幸田稔さん(72)は自身の半生記をつづった「JazzSpot Jの物語 バードマン幸田風雲録」(駒草出版)を出版した。11月には記念パーティーを開く。 (池田知之)

 靖国通り沿いのビルの地下一階にあるJは、広さ百平方メートル、八十五席の落ち着いた雰囲気。もともとプロミュージシャンが経営していた店を引き継ぎ、一九七八年十月に開業した。

 幸田さんは早稲田大学に入学、早大モダンジャズ研究会(ダンモ研)でサックスに打ち込み、同学年で当時ピアニストの鈴木良雄さん(72)、一学年下のギタリスト増尾好秋さん(72)や後にタレントとなる森田一義(タモリ)さん(73)らと切磋琢磨(せっさたくま)した。卒業後、繊維会社に就職。仕事を終えるとJで演奏を楽しんだ。

 七八年八月、マスターが事故で急逝。ダンモ研OBら二十数人が出資した運営会社が経営することに。当時、三十二歳の幸田さんはJのマスターに就くため会社を辞めた。ベーシストに転向した鈴木さんや増尾さんがニューヨークなどで活躍しているのに影響を受けたからだ。「安泰なサラリーマンとして生きるより音楽界で生きるのに懸けた」。タモリさんも取締役宣伝部長として運営に携わり、時にはステージで即興の歌も披露した。

 八〇年冬、店が全焼し途方に暮れたが、漫画家赤塚不二夫さんの呼び掛けで数百万円のカンパが集まり再開にこぎ着けた。

 渡辺さんや山下さんのほか、日野皓正さん、パット・メセニー、チェット・ベイカーらそうそうたる顔触れがライブ出演。駆け出しの小野リサさんもJで育った。大橋巨泉さんの長女で、ジャズボーカリストの大橋美加さんは「Jは自分のよりどころ。仲間意識があり皆が一体になれる。ずっと続けてほしい」と願う。

 幸田さんは「今でも夢の中にいるようで絶えず新鮮。ジャズという不思議な音楽に出合えて良かった」と振り返る。著作「Jの物語」は二千七百円。記念パーティーは十一月二十二日午後六時半から新宿区のリーガロイヤルホテル東京で。会費は一万二千円。締め切りは十月三十一日。問い合わせはJ=電03(3354)0335=へ。

 

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