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【首都圏】

<しみん発>農業通じ人々を健康に 医農野菜の会代表・村上洋一郎さん(42)

無農薬で栽培した枝豆「小糸在来」を子どもたちと収穫する村上洋一郎さん(右)=千葉県君津市で

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 千葉県君津市の任意団体「医農野菜の会」は、市内の耕作放棄地などを活用した約2ヘクタールの畑で、古くから地元にある在来種にこだわった60〜70種類の野菜を無農薬で栽培、インターネットなどで販売している。団体名には「農業を通じて人々の健康に貢献したい」という、代表の村上洋一郎さん(42)の願いを込めた。 (山口登史)

 十月十三日、医農野菜の会が、在来種の枝豆「小糸在来」の収穫体験会を、君津市内で開いた。県内を中心に約二十五人が参加し、収穫後に塩ゆでした枝豆を味わった。「うまい」「味が濃い」といった声が、あちこちで上がる。同県木更津市から家族四人で参加した山脇裕子さん(42)は「味はもちろん、収穫も楽しくて、子どもの食育になる」と満足そうだ。

 村上さんが大学卒業後に勤務したITの世界は、企業間の競争が激しく、めまぐるしく変化した。将来への漠然とした不安を抱き、「家族もできたし、長く続けられる仕事をしたい」と退職。東京近郊で一次産業に携わろうと思い、出身地の東京に近く、気候が温暖な君津市に移住した。

 当時、東京電力福島第一原発事故の影響で「食の安全に消費者の関心が高い」と感じていた。「在来種や、同じ味や形を受け継いだ固定種の野菜なら、日本人がずっと食べており、信頼を得られる」と考えた。さらに、少子高齢化などで増える耕作放棄地を見て「地域や社会に貢献したい」と、移住した年のうちに会を設立した。

 会のメンバーは村上さんら三人。農薬、化学肥料を使わず、落ち葉などを発酵させ、土壌を良くする植物性の堆肥を使う▽在来種や固定種を栽培する▽タネを自前で集める▽耕作放棄地を活用する−の四点を厳守。オクラ、シシトウ、ダイコン、ニンジンなどを栽培し、主にインターネットで販売している。

 君津市に移住するまで、村上さんは本格的な農業経験はなく「猛暑や冷夏、台風のような自然災害と、販路の開拓に苦労した」という。明るく人懐こい性格を発揮して、近所の人や、同様の取り組みをしている人たちを訪ねては助言を求め、試行錯誤を重ねた。

 軌道に乗ってきた今、「農場のレンタルや、障害者の就労支援にも取り組みたい。稲作にも挑戦したい」と意気込んでいる。

<むらかみ・よういちろう> 東京都立川市出身。大学卒業後、都内のIT企業勤務を経て、2013年に千葉県君津市に移住した。野菜の販売など問い合わせは村上さん=電090(7635)4288=へ。

 

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