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【社会】

横浜のマンション 施工不良10カ月認めず

施工不良で手すりにずれがあると判明した大型マンションの渡り廊下=14日、横浜市都筑区で

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 三井不動産グループが販売した横浜市都筑区の大型マンションで施工不良による傾きが見つかった問題で、住民が業者側に相談してから業者が施工不良を認めるまで十カ月かかっていたことが分かった。住民によると、業者は当初「東日本大震災の影響で、問題はない」などと言い、対応しようとしなかった。民間住宅の不具合に行政が関わる法的義務はない。住民は業者の動きを待つしかなく、対応が遅れる問題が浮き彫りとなっている。

 このマンションは三井住友建設(東京都中央区)が施工、三井不動産レジデンシャル(同)が販売した。昨年九月、住民が建物の一部が傾いているのを発見し、二カ月後に業者に相談。横浜市などによると、業者側は住民との話し合いや、測量と掘削調査をしていたというが、実際に施工不良の可能性を認めたのは今年九月だった。八月に住民が市に調査を求めてから、膠着(こうちゃく)していた事態が急展開した。

 マンション管理組合理事の男性によると、業者側の対応が鈍いため施工記録を求めるなどしたところ、今年二月以降に調査を始めたという。男性は「当初、不動産会社は被害者のような雰囲気だった。最初から誠意ある対応をしたとはいえない」と憤る。

 市の担当者は「住民から相談があれば、もちろん行政として対応する。しかし、住民と業者の協議で解決するに越したことはない」と話している。一方、三井住友建設の広報担当者は、施工不良を認めるまで十カ月かかったことについて本紙の取材に「今年の春先から調査はしている。報告が九月になったのは粛々と調査した結果だ」と答えた。

◆旭化成が1000棟以上調査へ

 横浜市都筑区のマンションが傾いている問題で、旭化成は十五日、子会社「旭化成建材」(東京)が下請けとして基礎のくいを打ち、一部で虚偽データを使ったことを受け、同社がくい打ちを施工した全国のマンションについて、保管している過去のデータを全て調査する方針を明らかにした。対象は千棟以上に及ぶとしている。

 旭化成建材は横浜のマンションで工事の際、一部データの取得に失敗したため、他のデータを転用したという。

 旭化成建材は当面の措置として傾いた建物の補強、改修をする方針。

 旭化成は社内に調査委員会を設置、原因の究明と再発防止に当たることにしており、最終的な対応は調査結果を受けて判断する。補強、改修費用は全額、旭化成建材が負担する。旭化成建材は「(事業主の)三井不動産レジデンシャル、(施工主の)三井住友建設と協力の上、しかるべき対応をしていく」としている。

◇施工不良マンション経過

昨年9月 住民がマンションの傾きを見つける

  11月 住民が業者に相談

今年2月以降 業者が測量と掘削調査

  8月 住民が横浜市に調査要請

  9月 業者が施工不良を認める

 

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