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【社会】

がん患者、支えたい 2300人が寄付 豊洲に新施設

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 がん患者が安心できる居場所を−。こんな人々の善意が結実し、専門家の相談支援を無料で受けられる施設「マギーズ東京」が、東京都江東区豊洲に今夏オープンする。建設費約三千九百万円はすべて寄付で賄われ、インターネットなどで約二千三百人から寄せられた。 (竹上順子)

 二〇二〇年までの限定施設だが、運営するNPO法人「マギーズ東京」の共同代表理事で看護師秋山正子さん(65)=東京都在住=は「看護師やケースワーカーらとの対話を通じ、患者さんが治療や今後の人生について考えられる場に」と話している。

 施設は、秋山さんらが英国発祥の「マギーズセンター」を目標に構想。インターネットで資金を募る「クラウドファンディング」を利用したところ、約千百人から計約二千二百万円が集まった。クラウドファンディングの運営会社が日本でサービスを開始して以来、最高額(当時)で、がんで肉親を亡くした遺族、元患者らも善意を寄せた。

 がんを経験した髪林(かみばやし)靖子さん(43)は一万円を寄付。「一人じゃないと思える場が必要。一人一人は微力でも集まれば大きな力になるんですね」と喜ぶ。これに、秋山さんらが他の方法で約千二百人から集めた約千七百万円を足した。用地は企業が低額で貸してくれた。

 建物は平屋で床面積二百平方メートル。十人ほどが集えるダイニングルームやオープンキッチン、個室などがある。看護師やケースワーカーらが常駐し、患者や家族が相談支援を無料で受けたり、体操やヨガなどを体験したりできる。今月十一日に起工式を行う。

 がん薬物療法専門医で、川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンターの西智弘副医長は「医者と患者の関係では、今後の人生をどう生きたいかなどはなかなか話せない。病院でも家庭でもない場所で寄り添ってくれる人がいることは、前向きに考えられる力になる」と期待する。

 

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