東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

ニセ電話詐欺 電子マネー手口が急増 通販ギフト券買わせネット競売でID現金化

写真

 昨年のニセ電話詐欺の被害総額が六年ぶりに前年を下回る中、インターネット上に十数桁のIDを入力すれば買い物が可能な電子マネーのギフト券を被害者に購入させる手口が急増している。詐欺グループは被害者にギフト券を購入させた上でIDを電話で聞き出し、ネットオークションに出品して現金化している。警視庁は「直接現金を受け取る手口ではないため、詐欺グループの実態がつかみにくい」と警戒を強めている。 (石井紀代美、<1>面参照)

 東京都日野市の男性会社員(47)は今月二十四日、携帯電話のアダルト動画サイトを見ていた。画面をクリックすると、突然、「会員登録が完了しました」とメッセージが現れた。画面には「誤ってクリックしてしまった場合は、こちらまでご連絡下さい」と、電話番号が表示されていた。

 男性は電話し「間違いだった」と伝えたが、相手は「契約は成立し登録料はかかる。支払わない場合は訴訟を起こす」と返答。八万円の登録料をネット通販大手アマゾンで利用できる電子マネーのギフト券で支払うよう求めた。

 ギフト券はコンビニ店などで販売されており、男性は相手の要求どおり、二万円分のギフト券四枚を購入し、それぞれのIDを電話で伝えた。

 この事件で、警視庁は杉並区のマンション一室を拠点にしていた詐欺グループの男女六人を詐欺容疑で逮捕。全員否認しているが、同庁捜査二課はグループが昨年五月以降、約六百人から同様の手口で一億円以上のギフト券のIDを詐取、ネットオークションでIDを販売して現金化していたとみている。

 警視庁によると、都内ではこのような電子マネーを悪用したニセ電話詐欺が近年急増し、二〇一四年には被害総額が千数百万円、昨年は約四千万円に跳ね上がった。ほとんどはアダルトサイトの登録料名目で、高齢者に限らず、若者、中高年も被害に遭っている。

 詐欺グループにとっては、被害者から直接現金を受け取ったり、口座に振り込ませる必要がないため、警察に受け取り現場で逮捕されたり、現金を引き出す際に現金自動預払機(ATM)の防犯カメラに写るリスクを回避できる。

 同庁幹部は「『電子マネーのIDを教えろ』と言われたら、百パーセント詐欺。絶対に教えず、すぐに警察に相談してほしい」と注意を呼びかけている。

◆警戒強化 首都圏被害減る

 関東のニセ電話詐欺は、1都6県では昨年の被害総額が減り、警察が把握した件数も茨城県以外で減少した。1都6県で全国の被害額の42%を占めるが、前年の46%からは減少した。

 一方、大阪、岡山、福岡県などで被害総額、件数とも増加が目立った。警察庁の担当者は「首都圏で取り締まりを強化し、地方大都市圏へ広がったのではないか」と分析している。

 全国の警察は昨年、ニセ電話詐欺グループの拠点を60カ所(前年比19増)摘発。このうち東京23区内は45カ所、南関東の1都3県で58カ所を占めた。

 

この記事を印刷する

PR情報