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【社会】

五輪総費用 公表なし 不足分は税金追加投入

 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックは、総費用がいくらかかるのか。一二年ロンドン大会では、開催五年前に公的資金が一兆五千八百億円(一ポンド=一七〇円で計算)と公表された。東京大会は四年後に迫るが公的資金分は公表されず、民間分を合わせた総費用も分からない。足りない場合、税金の追加投入が決まっている。 (五輪施設取材班) 

 「三兆円ぐらいかかるつもりで準備するが、半分にする努力をする」。舛添要一都知事は二日、東京大会にかかる経費の総額について、本紙のインタビューにこう述べた。根拠は「ロンドン大会の経費を念頭に置いた」「テロ対策にお金がかかる」などとした。

 経費には、主に公的資金で賄われる会場・インフラ整備費と、民間資金で賄われる大会運営費がある。大会組織委員会の森喜朗会長は昨年七月、「全体の計画で当初の三倍ぐらい」かかり「最終的に二兆円を超すかもしれない」と発言。当初は整備費に四千三百億円、運営費に三千億円の計七千三百億円とされ、三倍すると二兆円超になる。

 一方、遠藤利明五輪相は一月の衆院予算委員会で総額について「組織委も政府も把握していない」と答弁。組織委の武藤敏郎事務総長も昨年十二月、運営費は一兆八千億円との一部報道に「確固たる数字は持ち合わせていない」と述べ、はっきりしない。

 英国政府は〇七年、一兆五千八百億円の公的資金を投じると発表し、翌年には下院や監査局が予算のチェックを実施。使途の内訳や推移は定期的に公表され、最終的に六百億円余った。この他に運営費が四千億円かかっているので、総額は二兆円弱になる。

 これに対し、東京大会は公的資金の全体像がはっきりしないまま、国立競技場や海の森水上競技場などの整備費が当初の工費を大幅に超過。運営費も武藤事務総長は「全ての経費を網羅していない」と言い、テロ対策や追加種目で膨張は必至だ。

 運営費の原資は組織委のスポンサー収入や放映権料、チケット販売などで、四千五百億円が見込まれる。だが、三倍になると九千億円が必要で足りない。その場合は都が補填(ほてん)し、さらに不足すれば国が補填すると決まっており、その原資も税金だ。

◆最終責任者明確に

 五十嵐敬喜・法政大名誉教授(公共事業論)の話 海の森水上競技場は当初の六十九億円から四百九十一億円に膨らんだ。経費は三倍との発言もあるが、もっと膨らむ可能性もあるのではないか。なぜ経費が分からないのかというと、最終的に誰が責任を持つのかがはっきりしないから。責任者を明確にしないと、雲をつかむような話になってしまう。

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