東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

柏市、小中校の組み体操全廃へ 新年度から全国に先駆け

 事故が相次いでいる運動会の「組み体操」をめぐり、千葉県柏市教育委員会が二〇一六年度から、市立小中学校での全面的禁止を検討していることが、市教委への取材で分かった。二十五日の教育委員会議で正式に決定、一五年度中に全校に伝達する見通し。スポーツ庁の担当者は「全面的に禁止するのは聞いたことがない」としている。

 市教委によると五日、同市の校長会から廃止を検討するよう要請があった。市立小中学校では一五年度、組み体操の練習中にけがを負い、病院に搬送されたケースが約四十件あった。

 市教委の幹部は「団結力が深まるメリットがある一方、けがのリスクもある。その両面を判断して、市内の各校長が禁止を選んだ」と説明している。

 組み体操をめぐっては、大阪市教委が「ピラミッド」と「塔(タワー)」の禁止を決定、さらに組み体操自体の禁止も検討している。千葉県松戸市教委も組み体操の廃止を含め、安全対策の見直しを進めている。

◆被害生徒の母「良かった」

 柏市教委が組み体操の全面的禁止を検討していることについて、組み体操の事故で重傷を負った同市立中学三年生の男子生徒(15)の母親(44)は十七日、本紙の取材に「本当に良かった。同じような事故を防ぐことができる」と喜びの声を上げた。

 男子生徒は昨年九月、体育祭の練習中に四つんばいに積み重なる五段「ピラミッド」の上部二段目から落下。約二・五メートルの高さから後方に落ちて、右太ももを地面に打ち付けて骨折。手術を受けて一カ月以上、入院した。本紙が昨年十月に事故を報じてから四カ月以上たった今も、足の装具は外れないという。取材当時、「落ちた時は死ぬかと思った。けがが続くなら組み体操はやめた方がいいと思う」と答えていた。

 生徒は今も、右太ももから足首にかけて金属製の装具をつけて生活。走れず、体育も休み、完治のめどはたたない。受験生の生徒に代わり、母親はこう訴えた。「たった一度の組み体操の落下で、希望がくだかれる。この苦しみは当事者にしか分からない」。同じ中学に通う生徒の弟が、組み体操をやらずに済みそうなことが救いだという。

 

この記事を印刷する

PR情報