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【社会】

都心のカラス激減 対策徹底でピーク時の1/4

都心で激減しているカラス=東京都渋谷区の代々木公園で(堀内洋助撮影)

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 東京都心に生息するカラスが激減していることが、都市部の鳥類を調査している都市鳥研究会の調査で分かった。ピークだった十五年前の四分の一で、調査を始めた一九八五年以来最少。都が進めた捕獲作戦や、餌となるごみの対策を徹底したことが影響しているとみられる。 (小形佳奈) 

 研究会では八五年から五年ごとに、豊島岡墓地(文京区)、明治神宮(渋谷区)、国立科学博物館付属自然教育園(港区)の三カ所で冬の夕方、ねぐらに集まるカラスの数を数えてきた。昨年十二月十九日の調査では、三カ所で四千八百十六羽となり、前回の二〇一〇年調査から三千羽近く減少した。

 ピークだった〇〇年の一万八千六百六十四羽の四分の一に減り、調査を始めた三十年前の六千七百二十七羽をも下回った。研究会代表の唐沢孝一さん(72)は「兵糧攻めと捕獲作戦が大きい」と解説する。

 路上に出されたごみを荒らすなど、都会の社会問題だったカラス対策に着手したのは、都の石原慎太郎元知事。〇一年度から着手し、専門チームをつくって大型わなで捕獲したほか、ごみの深夜・早朝収集を実行。ごみ減量、集積場にかける鳥よけネットの普及が進んだこともあり、都が都内四十カ所で行ってきた生息数調査でも〇一年度の三万六千四百羽が、一四年度には一万四千九百羽まで減少した。

 さらに、唐沢さんは「カラスの天敵であるオオタカやノスリといった猛禽(もうきん)類が都心で繁殖するようになったのも一因」とみる。皇居や明治神宮では猛禽類に襲われたと思われるカラスの死骸を確認した。皇居にすむタヌキのふんからカラスの羽が出てきたこともあり、「オオタカの食べ残しをタヌキが食べているのではないか」と推測する。

 カラスはごみを荒らしたり、鳴き声がうるさかったりする半面、植物の実を食べて種をふんとして排出することで、生態系の維持に役立っている側面もある。

 唐沢さんは「子どもたちに自然と共存することの大切さを伝えるためにも、カラスの存在は必要。都心のカラスが問題になる以前の一九六〇、七〇年代の推定三千羽が適正数ではないか」と話している。

 

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