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【社会】

教科書に国の見解 色濃く 領土記述6割増 集団的自衛権に検定意見多数

 文部科学省は十八日、二〇一七年度から全国の高校で使われる教科書(主に一年生用)の検定結果を公表した。二年前に教科書づくりの指針が変わったことなどを受け、地理歴史、公民で竹島や尖閣諸島を「日本固有の領土」と記述する傾向が強まった。政府が閣議決定で憲法九条の解釈を変更した「集団的自衛権の行使容認」について多くの検定意見が付くなど、安倍政権の見解をより反映した教科書になった。 

 文科省によると、北方領土も含めた領土に関する記述は現行本から六割増加した。一四年一月に改定された学習指導要領解説では、北方領土と竹島、尖閣は「固有の領土」だと記述したうえで、編入した経緯や政府の主張、解決に向けた努力などを盛り込むよう求めている。適用は昨年度の中学校が最初だったが、教科書会社が政府の意図を先取りする形で一昨年度の小学校から領土に関する記述が増えていた。

 高校への適用は今回が初めてで、対象となった二十四点すべてに竹島、尖閣の記述があり、このうち竹島は十四点、尖閣は十点が「固有の領土」と表記した。四十四点ある現行の教科書では、竹島、尖閣を固有の領土と表記しているのは各十二点だった。

 集団的自衛権の行使容認について、世界史A・Bと日本史A、現代社会、倫理、政治・経済の三十二点中十九点(59・3%)が掲載した。関連する検定意見は五点の八カ所に上る。実教出版の現代社会では「解釈改憲」という言葉に「どこででも使っていい単語にまではなっていない」という趣旨の意見が付いた。昨年公表された中学校の教科書では、行使容認についての記述はあったが、意見は付いておらず、今回が初めてとなる。

 解説の改定と同時に、地理歴史、公民の検定基準に(1)「通説的な見解がない近現代史の数字については、そのことを明示する」(2)「政府の統一的見解がある場合、それに基づいて記述する」の二項目が追加された。

 今回は二社の二点に計五件の意見が付き、南京事件の犠牲者数や関東大震災時に殺害された朝鮮人の数などをめぐり、(1)に反しているとして四件、戦後補償に関して(2)に反しているが一件あった。

 また現行の教科書と同じ記述内容なのに、日本史で検定意見が付いたのは七十三件あった。

 本年度は十教科(専門教科を除く)で二百四十四点の申請があり、編集上の理由で取り下げられた外国語の二点を除く二百四十二点すべてが合格。そのうち発生から五年を迎えた東日本大震災は百二十三点(50・8%)、東京電力福島第一原発事故は七十五点(31・0%)が扱った。

 

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