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【社会】

ペットと一緒 安心避難テント NPO設置「大事な家族」

愛犬ハリーとテントで避難生活を送る吉村さん=熊本県益城町で

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 熊本県を中心に相次ぐ地震で避難生活が長引く中、ペットと一緒に泊まれるテントが益城(ましき)町の総合体育館近くの芝生広場に設営された。車中泊をしていた飼い主らが愛犬や愛猫らと触れ合い、ストレスを和らげる場になっている。

 陸上競技場に隣接する広場に幅三メートル、奥行き五・五メートルの六人用テントが二十張りほど並ぶ。大雨に見舞われた二十一日、テントの中で同町の吉村八枝さん(73)が、雄の雑種犬「ハリー」が毛布の上で寝そべる姿に目を細めていた。

 「避難所の体育館でハリーはガタガタと震えていたのに。まだ怖いだろうけれど、お利口にしてくれている」。一緒に十一年も暮らすハリーの頭をなでた。

 吉村さんは十四日の地震発生直後、ハリーと一緒に町総合体育館に避難。ハリーのそばにいたかったため廊下で過ごしたが、余震のたびにおびえてほえ、避難者から苦情を受けるなど肩身が狭かった。

 「この子をどこかに置いてくることはできない」と、雨でも体育館の外で過ごしたりした。気兼ねなく一緒にいられるテントに「おかげで雨風をしのげる。ハリーは大事な家族」。

 テントを設けたのは、被災地支援や災害救助犬の派遣をするNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(広島県神石高原町)などの援助団体。本震とされる二度目の大地震の翌日、十七日に設営した。同法人の大西純子さん(44)は「天気が良ければすぐに散歩に行くことができ、ペットにとっても屋外は過ごしやすい。避難者の気分転換にもなる」。

 災害時のペットの扱いについて、環境省は二〇一三年に「同行避難が原則」との指針を示した。東日本大震災で避難所に受け入れられなかったペットが衰弱死したり、野生化したりしたためだ。ただ、鳴き声や臭い、ノミの発生など苦情が出たり、アレルギー体質の人が困ったことなどを受け、「避難所で他の人への迷惑にならないよう努めなければならない」とした。

 名古屋大の窪田由紀教授(臨床心理学)は「ペットを家族の一員と考え、心の支えにする人もいる。避難所ではペット連れと、動物が苦手な人の区域を分けるなど、共存方法を考えるべきだ」と話している。 (吉川翔大)

 

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