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【社会】

憲法に若い力 有明の集会参加

 安倍政権が改憲への強い意欲をみせ、憲法論議が高まる中で迎えた憲法記念日の三日、護憲派、改憲派双方が各地で集会を開いた。護憲派で最大規模となった東京・有明の集会には若い人たちも参加し「平和主義の破壊は見過ごせない」「なぜ反対の声を押し切って改憲に進むのか」などと声を上げた。今夏の参院選が初めての投票となる大学生や投票権を得られない在日朝鮮人の若者に、憲法や社会への思いを聞いた。 

◆破壊は許さない 大学3年・宮越直哉さん(20)

 大学で政治を学んでいるのに、日ごろ友達と憲法について話す機会は多くなかった。それが、二〇一四年七月に安倍政権が解釈改憲で、集団的自衛権の行使を容認した時、サークルでディベートをしたりして、ちょっと話題になった。憲法について、自分たちなりに真剣に考えた。

 集団的自衛権の議論では、日本の国際貢献のためには必要だって意見があったけど、そもそも憲法九条に違反するのではないか、と思う。「必要だから」という理由で憲法を無視したら、これから先、どんな暴走も許すことになっちゃう。憲法は、それを防ぐ歯止めのはずなのに。

 私の祖父は六歳の時、大阪で空襲に遭っている。当時二歳の妹が避難の中、食中毒で亡くなったと聞いた。いったん戦争が始まれば、巻き込まれるのは女性や子どもたちだ。憲法の平和主義が壊されるのを黙って見てはいられない。

 若い世代に、改憲すべきとの声が多いとは感じない。変えなくても国際貢献はできるし。私も夏の参院選で、初めて投票できるようになる。憲法を大切にする候補者に一票を入れたい。 (岡本太)

◆おかしな方向に 大学1年・山森要さん(18)

 政府は安全保障関連法の制定理由を「日本を守るため」と言うけれど、他国に攻め入ることができる危険な法だと思う。「おかしい」と感じたから、安保法への反対を訴える学生グループ「VIP埼玉」に参加し、安保法反対の声を出し続けています。

 昨年七月に、さいたま市内でデモをすると、高校生を中心に三百人が集まった。「やっぱり平和がいい」と思う仲間とのつながりが広がった。

 東日本大震災からの復興もまだなのに、戦争への道を開こうとしている。今の日本は、おかしな方向に進んでいると思います。自分にできることは、この国で起こっている問題の本質を知り、おかしいと感じたら自分の声で同世代に伝えることです。

 憲法は太平洋戦争の反省から生まれ、権力者の権力を縛るためにあるものです。この憲法のおかげで、日本は七十年も戦争をしなかった。変える必要はない。

 今夏の参院選で初めて投票する。経済を良くするとか市場を大きくするとかではなく、平和を守り、国民の生活に寄り添ってくれる候補者に一票を投じたい。 (酒井翔平)

◆気持ち主張する 専門学校1年・鄭輝樹さん(18)

 私は在日朝鮮人の四世で、両親、妹と一緒にこの集会に来た。ここに来ている多くの人たちが反対しているのに、その声を押し切って安倍政権が憲法を改正しようとしているのは信じられない。

 朝鮮人としてのルーツを守りたいので、日本国籍を取得することは考えていない。そのため、選挙権がないので投票できませんが、このような集会に参加することで、自分の気持ちを主張したい。

 最近、ヘイトスピーチ(差別扇動表現)などの形で在日朝鮮人に対する差別が世の中に現れていて、怒りと恐怖を感じている。朝鮮学校に通っていたころ、授業料の無償化を求めるデモに参加し、「死ね」「朝鮮に帰れ」と言われた経験がある。ヘイトスピーチは憲法が保障する表現の自由の意味をはき違えていると思う。

 日本には多くの在日朝鮮人や外国人も住んでいる。選挙で投票できる同年代の若者には、外国人のことも考えてくれる候補者を政治家として選んでほしい。若者が政治に積極的に関われば、もっと日本は変わると思う。 (松尾博史)

 

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