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【社会】

学術会議会長「自衛目的の研究許容を」 軍事否定から転換の可能性

大西隆会長

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 国内の科学者を代表する機関である日本学術会議(東京都港区)の大西隆会長が、「大学などの研究者が、自衛の目的にかなう基礎的な研究開発することは許容されるべきだ」とする考えを、四月の総会で示していたことが分かった。学術会議は今後、委員会で軍事研究の許容範囲などについて議論し、一定の見解をまとめる見通し。これまで軍事目的のための研究を否定する声明を発表してきたが、その基本姿勢を転換する可能性も出てきた。 (望月衣塑子)

 学術会議は一九四九年の発足時の決意表明で、科学者の戦争協力を反省し平和的復興への貢献を誓った。五〇年と六七年には、「戦争目的」や「軍事目的」の科学研究を行わないとする声明を決議した。五〇年の声明に会員として関わったノーベル賞受賞者の湯川秀樹氏は戦時中に原爆研究した反省から、戦後は核廃絶運動に取り組み「科学者の社会的責任」を唱えた。軍事目的の研究に関わることを否定する考え方は科学者の間に定着していった。

 大西会長は、学術会議の全会員が参加した四月の総会の会長報告で、過去の声明を「堅持する」とする一方で「国民は個別的自衛権の観点から、自衛隊を容認している。大学などの研究者がその目的にかなう基礎的な研究開発することは許容されるべきではないか」と述べ、学術会議としての見解が必要と主張した。

 こうした発言に対し、自由討議で「従来の立場と異なる考えだ」との反対意見も相次ぎ紛糾。京都大の山極寿一(やまぎわじゅいち)総長は「自衛隊の活動全般にわたって国民の総意は得られていない」と指摘し、見解をまとめる際は「これまでの声明を変えることのない文言を考えてほしい」と求めた。別の会員からは「会長の私見には疑問がある。科学には倫理や規範が必要な時がある」という意見もあった。

 大西会長は二〇一一年十月に会長就任。都市工学が専門で、豊橋技術科学大学長を務める。

 

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