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【社会】

電通を強制捜査 他にも違法長時間労働疑い 厚労省、書類送検へ

電通の東京本社に家宅捜索に入る東京労働局の労働基準監督官ら=7日午前9時27分、東京都港区で

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 昨年十二月に新入社員が過労自殺した電通(東京)について、他の社員にも違法な長時間労働をさせていた疑いが強まり、厚生労働省は、労働基準法違反の疑いで書類送検する方針を固めた。東京など各地の労働局は七日、本社(東京都港区)や関西支社(大阪市)、中部支社(名古屋市)、京都支社へ家宅捜索に入った。同省は先月、長時間労働の実態を調べるため同社の本社などを立ち入り調査したが、今回は捜索令状を取っての強制捜査となった。

 東京本社には同日午前九時半ごろ、東京労働局の労働基準監督官ら約三十人が捜索に入った。長時間労働を重点的に取り締まる「過重労働撲滅特別対策班」も含まれている。

 電通をめぐっては昨年十二月、新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=が自殺。三田労働基準監督署は九月、長時間労働が原因として労災認定した。厚労省は、十月の立ち入り調査で、社員の労働時間に関する記録などの任意提出を受けた。その結果、労使協定で定めた残業時間を上回る違法な長時間労働を他の社員にもさせていた疑いが強まり、勤務記録を押収するなど、さらに捜査する必要があると判断した。

 電通は、過去にも複数回、長時間労働に関する是正勧告を受けている。同省は、こうした経緯も踏まえて今回の強制捜査に踏み切った。労働基準監督官は刑事訴訟法に基づく特別司法警察職員として任意の取り調べや逮捕、送検の権限がある。

 電通の広報部は「捜索が入ったことは事実。調査には全面的に協力しています」とコメントした。

◆働き方改革進める 官房長官が見解

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は七日午前の会見で、東京労働局などが電通本支社を強制捜査したことに関し「働き過ぎによって尊い命を落とすことがなくなるよう長時間労働の是正、同一労働同一賃金の実現など働き方改革を進めていきたい」と述べた。

 <電通社員の過労自殺> 東大卒業後の2015年4月、広告大手の電通に入社した高橋まつりさんが、同年12月に東京都内の社宅から飛び降り、24歳で亡くなった。三田労働基準監督署は、長時間労働が原因として16年9月に労災認定した。各地の労働局が10月に電通の本支社のほか主要子会社を立ち入り調査した。電通は、高橋さんが亡くなる前の15年8月に、違法な長時間労働があったとして是正勧告を受けていた。13年に病気で亡くなった若手男性社員が今年になって長時間労働が原因の労災と認定されたことも判明した。

 

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