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【社会】

博多大規模陥没 地下鉄工事が原因か 作業員、間一髪で脱出

日没後もポンプ車を使って埋め戻し作業が続く、博多駅前の道路大規模陥没事故現場=8日午後5時30分、福岡市博多区で

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 JR博多駅前の道路大規模陥没事故で、福岡市は八日、岩盤層で掘り進めていた市営地下鉄七隈線延伸工事のトンネル天井部分の土砂が、陥没の発生約五十分前に剥げ落ちる異変があったことを明らかにした。市は、地下十六〜十八メートル地点にある粘土層に何らかの原因で穴が開き、地下水などとともに土砂がトンネル内に流れ込んだと推定。工事が原因とみて施工や設計、管理体制に問題がなかったか調べている。 

 市によると、工事関係者が道路を封鎖したのは陥没が始まる約五分前で、大惨事につながる可能性があったことが判明。国土交通省は市交通局に対し詳しい原因を究明するよう警告。立ち入り検査すると明らかにした。市は工事業者から聞き取りを始めた。

 市は現場に接する商業ビルなど近隣四十二棟の応急危険度判定を実施。「現時点で倒壊の恐れはない」としている。

 市は同日午後、地下水や下水がたまった陥没部分を、セメントを含む特殊な土で埋め戻す作業を開始。完了後に破損した下水道などの復旧に着手する。ただ、埋め戻しには約七千立方メートルの土が必要で、少なくとも三日かかるとみられる。

 陥没の影響で地下に埋められた電線や通信ケーブル、ガス管などが損傷し、周辺一帯は引き続き通行規制がかかった。西部ガスは一時、商業ビルなど八棟計十九戸にガス供給を停止した。一部で復旧のめどが立っていない。

 陥没事故は八日午前五時十五分ごろ発生。当初二カ所だった陥没部分が徐々に広がり、長さ約三十メートル、幅約二十七メートル、深さ約十五メートルの大きさになった。水がたまり、大きな池のような状態になっている。

    ◇

 福岡市の大規模陥没で、地下約二十五メートルの工事現場にいた作業員らの脱出は、崩落のわずか十五分前だった。

 工事関係者によると、午前五時ごろ、市営地下鉄七隈線の延伸工事に当たっていた作業員ら九人に緊張が走った。崩落の兆候を示す水漏れが、現場のトンネル上部から始まったからだ。

 線路を敷く空間をつくるために硬い岩盤層を削っては、崩落を防ぐためにコンクリートを吹き付ける作業の最中。トンネルの上には水がたまりやすい砂の層があり、トンネルにしみ出すことはあったが、噴き出すことはなかったという。

 やがて水に土砂が混じりだす。作業員は間もなく現場から離れ、地上へつながる階段やエレベーターがある百メートル以上離れた「竪坑(たてこう)」を目指した。その直後、地鳴りとともに「ドーン」のごう音。工事に携わる男性(23)は崩落の様子を「隕石(いんせき)が落ちたようだった」と振り返る。九人は間一髪で難を逃れた。その時、数十メートル先のビルにいた人は「ビルが揺れるほどの地響きがした」と証言した。

 

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