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【社会】

原発避難いじめ 1年半放置 横浜の小学校、防止法守らず

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 東京電力福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学一年男子生徒(13)の小学生時代のいじめ問題で、保護者がいじめによる不登校や金銭の被害などを学校に訴えたのに、学校側が一年半の間、いじめ防止対策推進法に基づく対応をしていなかったことが分かった。同法は、不登校や金品の被害があれば、学校は「重大事態」として速やかに市教委を通じて有識者でつくる第三者委員会で調査するよう定めている。文部科学省は「極めて遺憾な対応だ」としている。 (志村彰太)

 保護者によると、生徒は二年生だった二〇一一年八月に市立小に転入した。直後から暴力や暴言を受け、五年生になった一四年からは遊ぶ金をせびられ、被害額は百五十万円に上った。

 市教委によると、保護者は五年生だった一四年五月二十八日と六月十五日の二回、学校にいじめ被害を訴えた。これを受けて学校は二回、校長やいじめ対応が専門の児童支援専任教諭を交えた会議で対応を協議したが、重大事態として市教委に伝えず、いじめ解決に動くことはなかった。

 市教委は「学校が調べたところ、被害者と加害者の証言が食い違い、いじめの認定ができなかった」と釈明。しかし、文科省生徒指導室は「自治体には、いじめと確定していなくても第三者委で調査するよう指導している。証言が食い違うからこそ、中立公平な第三者委が早く調査する必要がある」とする。

 結局、生徒は六年生では一日も登校できず、保護者が一五年十二月、市教委に第三者委の調査を要請。保護者が学校に相談してから一年半後にようやく、大学教授や弁護士ら九人でつくる第三者委の調査が始まった。

 最初の相談時点で調査・対応していれば、途中で復学できた可能性があり、第三者委が今月まとめた報告書は「もっと早く調査を実施できれば、被害者と加害者に対し、適切な指導や支援をアドバイスすることができた」と学校の対応を批判した。

 文科省生徒指導室の担当者は「今回のように、学校が重大事態と認識せず対応が遅れる例は全国的にある」と説明。速やかに第三者委を立ち上げられるよう、マニュアルを策定し、指導を強化する方針という。

 

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