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【社会】

奈良・医師死亡 「勾留中に暴行死」告発 鑑定書調べた法医

 二〇一〇年二月、奈良県警に業務上過失致死容疑で逮捕され、桜井署で勾留中だった男性医師=当時(54)=が死亡したのは取り調べ時の警官による暴行が原因として、遺族の依頼を受け、遺体の鑑定書を調べた岩手医大の出羽厚二教授(法医学)が十五日、県警に特別公務員暴行陵虐致死容疑の告発状を提出した。容疑者は特定していない。

 出羽教授は提出後、遺族の女性(52)らと奈良市内で記者会見し「遺体の右下肢に皮下出血があったのに、留置管理や取り調べに問題がなかったとなぜ結論付けたのか」と疑問を呈した。女性は「県警の対応に憤りを感じた」と話した。

 告発状によると、医師は一〇年二月十四〜二十四日ごろ、取り調べで頭部や胸部、上下肢を殴打され、急性腎不全などの多臓器不全で死亡。下肢に広範囲の皮下出血があり、打撲によって生じたとしている。

 当時の司法解剖では、医師の死因は急性心筋梗塞と判断された。県警は「暴行があったとは把握していない。留置管理の問題もなかった」として、告発状を受理するか検討している。

 医師は〇六年六月、奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(廃院)で元理事長らと肝臓腫瘍の摘出手術をし、肝静脈を傷つけて男性患者を死亡させたとして、一〇年二月六日に逮捕され、同二十五日に死亡した。

 遺族は勾留中に適切な措置を取らなかったとして県に約九千七百万円の損害賠償を求め係争中。県側は「皮下出血は留置場で座る時に床に打ったのが原因で、暴行はなかった」と主張している。

 

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