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【社会】

外国実習生を国別に採点 受け入れ団体HP「差別的」批判受け削除

 外国人技能実習生の受け入れ監理団体「国際事業研究協同組合」(本部・高松市)が「国別の介護技能実習生のポテンシャル」と題して、東南アジア六カ国の実習生の学習能力や親日度などを国ごとに評価し、介護への適性を採点した表をホームページに公開していたことが二十六日、分かった。

 専門家は「個人の資質は国別に決まるものではない。先入観で点数を付けるのは差別的だ」と批判。介護現場で働く外国人の大幅増につながる二つの法律が成立したが、実習生を受け入れる側の意識や目的が問われそうだ。

 組合は同日までに共同通信の取材に応じ「差別と言われて思い当たることがあった」として表を削除した。

 表では、インドネシア、カンボジア、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマーの六カ国について「介護への適性」など八項目を設け、計百点満点で評価。「◎」「△」などと優劣を示す記号を併記し、総合点の高い順に並べていた。

 「介護への適性」の項目では、判断基準を「心から弱者をいたわる奉仕の気持ちがあるか。年長者を尊重する国民性か」と説明。点数の低い国を「△(あまり適していない)」と評価した。

 他にも「学習能力が高いか」「仕事を投げ出さないか」「日本に強い憧れがあるか」「真面目で純粋な人材が海外に流出し、枯渇していないか」といった基準を記載していた。

 実習生の問題に詳しい指宿昭一(いぶすきしょういち)弁護士は「採点基準が介護とほとんど関係ない。外国人をいかに安価な労働力として使うかという考え方が透けて見える」と話す。

 法人登記によると、この組合はほぼ全国を事業エリアとし、実習生の受け入れや職業紹介などを展開。HPでは元駐カナダ大使らを顧問として紹介している。担当者は取材に、評価は現地調査などに基づくとした上で「介護施設が受け入れの際に慎重に判断するため、国ごとの特徴を理解してもらう目的だった」と説明した。

 介護現場の外国人増につながる二つの法律は、改正入管難民法と技能実習適正化法で、十八日に参院本会議で成立。施行後には実習生が介護の仕事に就けるほか、外国人が介護福祉士の資格を取れば日本での在留資格を取得できるようになる。実習生への人権侵害を防ぐため、受け入れ先の監視機関を設置し、罰則も設けている。

 <外国人技能実習制度> 途上国の経済発展を担う人材を育てるため、外国人を日本国内の企業や農家などで受け入れて技術を習得してもらう制度。1993年に導入された。期間は最長3年。今年6月末時点の実習生は約21万人で中国人が最も多く、近年はベトナム人が急増。国内外から「低賃金労働者の確保に利用している」との批判を受け、違法な時間外労働や賃金不払いの人権侵害も指摘されている。4月1日時点で、対象は農業や機械加工、自動車整備など74職種。

 

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