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【社会】

「177」番 利用者5分の1に 天気予報電話 ネットに押され…

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 電話で気象庁の天気予報が聞けるNTTのサービス「177」の利用件数が、二〇一五年度までの十年間で約五分の一に減少したことが、NTT東日本とNTT西日本への取材で分かった。インターネットなどで手軽に予報を把握できるようになったことなどが背景にあるとみられる。一方で、高齢者や視覚障害者ら必要としている人もおり、両社は「継続していく」としている。

 両社の集計を合わせると、〇六年度の利用件数は約七千四百万件だったのに対し、一〇年度は約三千六百万件、一五年度は約千四百万件にまで減少した。〇〇年度はNTT東日本だけで約九千六百万件だった。

 いずれも、NTTの固定電話からの発信数を集計。固定電話の契約者が減っていることや、携帯電話や他の事業者の電話から発信された件数について、集計に含まれていないことなども反映したとみられる。

 177で聞ける内容は、天気や波の予報、降水確率、予想気温などで、一日十一回更新している。警報や注意報は発表があるたびに伝えている。

 両社や気象庁によると、電話の天気予報サービスは一九五四年九月に東京で商用試行を開始。北海道で青函連絡船「洞爺丸」が沈没するなど大惨事をもたらした同月の「洞爺丸台風」では、利用が殺到したという。

 本格運用は五五年一月からで、番号は当初、東京「222」、名古屋「501」などと各地で異なったが、六四年三月から「177」に統一。最新の予報を、いつでも自分で知ることができる媒体として活用された。

 近年はネットやテレビのデータ放送なども普及し、きめ細やかな予報を手軽に把握することが可能になった。苦境に見える177だが、一五年度でも単純に一日約三万八千件の利用があった計算になり、サービスを必要としている人が今も多くいることが分かる。

 自然公園財団箱根支部(神奈川県箱根町)では、自然を楽しむイベントの開催の可否を決める際に177で気象情報を確認し、当日発表の降水確率が40%以上の場合は中止にする。参加者にも177で確認するよう求めているといい、担当者は「参加者の大半が高齢者で、ネットを使えない人もいると考えられるため」と理由を語る。

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 大阪市視覚障害者福祉協会の山野一美会長(64)も「協会の行事の開催を判断するだけでなく、日常生活でもなくてはならないもの」。ラジオでも天気予報を聞いているが、聞き逃すこともある。いつも携帯電話で177を聞いているといい「警報や降水確率など細かい情報を一通り、すぐに聞ける」と利便性を指摘した。

 元気象庁予報課長の村中明さんは「気象情報は生活と切り離せず、人命にも関わるもの。技術の進歩や時代の変遷で177の利用が減っても、使う人がいる以上は欠かせないサービス」と話す。

 

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