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【社会】

川内620ガル、大飯856ガルなのにトルコ400ガル 輸出原発 揺れ小さめ想定

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 日仏合弁会社がトルコ北部で建設を目指しているシノップ原発を巡り、原発を襲う地震の揺れ想定は最大加速度四〇〇ガル程度と、日本側が小さめに評価していたことが七日、原発立地の調査関係者への取材で分かった。

 日本の原発よりも小さく見積もられ、国内なら原発規制基準を満たさない可能性が高い。専門家は、予定地周辺の地質や地形を考えると「日本の基準に照らせば、少なくとも五〇〇ガル程度は必要だ」としている。耐震化工事などで建設コストが高くなるため、小さくしたのではないかとの見方もある。

 トルコも日本と同様、有数の地震国。日本では、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)で六二〇ガル、関西電力大飯(おおい)原発(福井県)で八五六ガルを想定し、一〇〇〇ガルを超える原発もある。

 評価は経済産業省資源エネルギー庁の委託事業で、日本企業がからむトルコやベトナムの原発立地での調査の一環。事業費は約二十四億円で、日本原子力発電(東京)が請け負った。原電は、活断層調査や地震の揺れ評価を日本の調査会社などに再委託した。

 シノップ原発は、三菱重工業とフランスの原子力大手アレバ社との合弁会社が加圧水型原発(出力百十万キロワット級)を四基建設する計画。トルコ政府との契約に成功すれば、二〇二三年の運転開始を目指す。

 日本の研究者によると、黒海沿岸にあるシノップ原発予定地の周辺には活動性が疑われる断層も多く、一九六八年には西側でマグニチュード(M)6程度の地震もあった。トルコの研究者の中には大地震が起きる可能性を指摘する声もあるといい、現地では反対運動が起きている。

 地震の揺れ評価について原電は、二〇一六年三月に国に提出した報告書では一切言及していない。原電は共同通信の取材に対し「経産省からの委託業務の内容は公表できない」、エネ庁は「承知していない」としている。

 <シノップ原発計画> 原発メーカーの三菱重工業と、フランスの原子力大手アレバの合弁会社「アトメア」が開発した、出力110万キロワット級の加圧水型原発4基をトルコ北部のシノップに建設する計画。トルコの発電会社と三菱重工、伊藤忠商事などによる連合体で事業を行う。三菱重工によると、現在は事業化可能性の調査段階にあり、2017年中に契約に至る見通し。

 

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