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【社会】

「保育所は嫌」 地元合意に苦慮する自治体

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 4月に新設予定の認可保育所の定員が、南関東の13市区で目標を下回る見込みとなっている。土地や保育士の不足に加え、認可保育所の整備が難航する要因の一つが、地元住民との関係。「子どもの声がうるさい」「給食のにおいが気になる」といった声に、「『保育所は嫌』という意識がこれほど強いとは」と自治体担当者は戸惑う。南関東33市区への本紙のアンケートでも、合意に至らず4月のオープンを延期したケースが4件あった。 (柏崎智子、神野光伸、奥野斐)

 待機児童数が千百九十八人と全国最多の東京都世田谷区。住宅街にある国の公務員住宅跡地に保育所を新設する計画が、騒音や悪臭、交通量の増加などへの懸念を理由に住民の強い反発を招いた。二〇一四年六月に始まった説明会は毎回紛糾した。

 区は事業者と相談して昨年九月、バルコニー付き二階建てだった園舎を、「ロ」の字形の平屋へと大幅に変更した。プールと園庭を園舎で囲み、遊ぶ子どもの声が外に響きにくいようにしたのだ。このため園舎、園庭とも狭くなり、定員は百二十人から九十人に。当初は昨年四月の開設予定だったが、何とか二年遅れの来年四月からを見込めるところまでこぎ着けた。

 区の担当者は「保育所を待つのも、不安に思うのも区民。双方に最大限配慮した」と説明する。早期開設を求め千五百人以上の署名を集めた母親(36)も「狭くなり子どもはかわいそうだけど、地元の理解がないと造れない」と受け入れた。

 足立区は、自治体が積極的に仲介役を果たしてトラブルの回避に努める。保育所の計画が決まるとすぐ、区が事業者を地元の町会長らに紹介、一緒に協力要請や今後の説明の進め方を話し合う。以前は地元対応を事業者任せにしていたが、「保育所は公的な施設だから」と考え方を変えた。

 区の担当者は「初期から区が関わり、きちんと説明すると住民も安心する。開所後も長い付き合いになるので、顔の見える関係をつくることが大事」と話す。

 昨年四月に開設予定だった保育所計画が住民の反対で中断した調布市は、五月と十月の市広報紙に、保育所への住民の不安に応える記事を掲載した。担当者は「そもそも保育所がどういうものか知られておらず、必要以上に『迷惑施設』と思われている。丁寧に説明したい」と話す。

 同時に保育所に活用できる土地の情報提供も呼び掛けたところ、市民から情報が寄せられるなど反応があったという。

 

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