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【社会】

東アフリカを学び、愛し41年 「サバンナクラブ」解散へ

ケニアでゾウの保護活動をする施設を訪れた小倉寛太郎さん=1989年(サバンナクラブ提供)

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 山崎豊子さんの小説「沈まぬ太陽」のモデルとなった故小倉寛太郎(ひろたろう)さんを中心に設立された東アフリカの愛好者の団体「サバンナクラブ−東アフリカ友の会」(東京都北区)が、会員の高齢化などから三月末をめどに解散の方向になった。現地の魅力を日本に伝え、自然保護や密猟対策といった社会問題にも取り組んできた。今後は、会員同士が協力し合える態勢づくりを模索する。(奥野斐)

 サバンナクラブは一九七六年の設立。呼び掛け人の小倉さんは日本航空に勤務し、ケニアのナイロビ支店長を務めるなど東アフリカで長く過ごした。設立の動機について妻の和江さん(84)は「(小倉さんは)アフリカの大自然や人々の素晴らしさを伝えたいという思いが強かったのでしょう」と振り返る。

 設立当初、作家戸川幸夫さんを会長に、小倉さんが現地を案内するなどして交流があった俳優の渥美清さんや杉村春子さんらが副会長に名を連ねた。現在も俳優の八千草薫さんや著名な研究者、元大使らが参加している。二十代で入会した元高校の生物教諭、吉成裕(ひろし)さん(64)は「会は活気があって熱気を感じた。アフリカだけでなく、人生を学ぶ場だった」と話す。

 運営は会員によるボランティア。会報の発行や写真展の開催などを通じ、情報の限られた四十年前から東アフリカの魅力を発信。動物学者や地質学者が講義する「サバンナ大学」などにも力を入れた。

 現地支援では、ケニアやタンザニアなどの国立公園、保護区に密猟防止用のパトロール車両を計三十二台寄贈。ケニア南部のマサイの子が通う小学校建設に資金提供したり、タンザニアで密猟者を取り締まるレンジャーの遺族に生計費を援助したりした。

 しかし、会員は九〇年代の約七百人をピークに減り、現在は六十〜八十代を中心に二百五十人ほど。事務局の負担も重く、やむなく会を閉じることにした。二月四日の総会で解散するかどうかを正式に決める。

 会長の漫画家ヒサクニヒコさん(72)は「アフリカに関する多くの人脈、ノウハウの蓄積、情報発信が途絶えてしまうのが悔しい」と話す。「サバンナは自然、動物との共存が理屈でなく肌で分かる場所。もっと多くの人にアフリカを知ってほしい。そのための道を探りたい」と語った。

◇「沈まぬ太陽」のモデルが設立

 小倉寛太郎さんは1960年代前半、日本航空の労働組合委員長を務め、64年ごろからパキスタンのカラチ、イランの首都テヘラン、ケニアの首都ナイロビに勤務。退職後もアフリカを訪れ、アフリカ研究家、動物写真家としても知られる。2002年、72歳で死去した。

 

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