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【社会】

福島、指示解除も現実厳しく 避難先移住1万件に迫る

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 東京電力福島第一原発事故により故郷を追われた人たちが、避難先で住宅を取得して移り住む動きが強まり、一万件近くにのぼることが、本紙の調査で分かった。政府は次々と避難指示を解除し帰還を進めようとするが、避難住民の多くは厳しい故郷の現実を前に、避難先で落ち着こうとする様子がうかがえる。 (荒井六貴)

 原発事故の避難者は、福島県内外で約八万一千人(昨年十二月現在)と、徐々に減っているとされる。しかし、この数字は仮設住宅や借り上げ住宅の居住者を中心としたもので、必ずしも実態を表していない。元の住居に戻った人は少なく、住まいは安定していても実質的には避難を続けている住民が多い。

 本紙は、避難住民が新たに不動産を取得した際の税の軽減制度の利用件数を把握することで、公表される数字からは見えない避難者の実情をつかむ努力を続けてきた。

 累計グラフの通り、避難先での住宅などの取得件数は、二〇一一年度末の六十六件からどんどん増え、一六年十二月末では前年から約二千百件増の九千五百五十二件になった。

 都道府県別に見ると、福島(八千二百九十件)が最も多く、茨城(三百七十六件)、栃木(百九十三件)宮城(百七十三件)、埼玉(百五十二件)、千葉(九十六件)と続く。福島県を除けば避難者が最多の東京都は、価格問題もあってか七十八件にとどまる。

 福島県税務課の松山政行主幹は「避難指示が解除されても、故郷で自宅を再建するより、避難先で住宅を建てている人も多い。移転先では、避難地域の近くのいわき市が人気だが、最近は住宅確保が難しく、福島市や郡山市にも広がっている」と話している。

 <不動産取得税の減免> 原発事故の帰還困難区域と居住制限区域に住んでいた人が、新たに住宅や土地を取得する場合、不動産取得税が軽減される。福島県は条例で、避難指示解除準備区域の住民も対象にしている。本紙は2015年から、主な避難先である福島、宮城、山形、新潟、茨城、栃木、群馬、埼玉、神奈川、千葉の十県と東京都、北海道に軽減制度の利用件数を取材し続けている。

 

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