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【社会】

静かに粘り強く抗議 「ヘイト」被害の沖縄 現地報告

米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、辺野古新基地建設に反対し、警察官の強制排除に抵抗する人たち=3日、沖縄県名護市で(沢田将人撮影)

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 沖縄県東村(ひがしそん)高江の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)や名護市辺野古の新基地の建設工事を巡り、反対運動をしている人たちを一方的に批判する「沖縄ヘイト」が広がっている。現場では今、何が起きているのか。工事の再開を控えて緊張が高まる名護市辺野古、工事がほぼ終了して一カ月たった高江を取材した。(福田真悟、辻渕智之) 

 一日朝、那覇市の沖縄県庁前に止まった四十五人乗りバスに、県内外から集まった人が一人、二人と乗り込んでいった。バスは辺野古新基地建設に反対する団体「島ぐるみ会議」が運行。毎週水曜日と土曜日に、通常の路線バスより安い千円で名護市の米軍基地キャンプ・シュワブと往復している。

 バスの受け付けをしていた那覇市の主婦比嘉多美(たみ)さん(64)が「那覇市周辺のお年寄りや県外から来た人のために運行しています」と教えてくれた。費用はカンパで補っているという。

 午前九時に出発。途中で人を乗せ、バス内は記者を含め二十三人に。大半が県内の人で、県外から訪れた人は数人だった。

 一時間余りでキャンプ・シュワブのゲート前に到着。少し離れた路上に、百人を超える人たちが座り込み、静かで粘り強い抗議を続けていた。

 ゲート周辺に基地以外の建物はなく、歩いて行けない距離にあるトイレまで車で参加者を送迎している男性がいた。特別支援学校の元教諭で北海道に自宅があるという白川泉さん(65)だ。数年前から十二月から翌四月まで沖縄で暮らしているという。

 抗議活動に参加している知り合いから「車が足りない」と聞き、送迎を手伝うようになった。「年金を取り崩して来るお年寄りもいるんだから、これぐらい」と話す。

 白川さんの運転する車に乗せてもらい、しばらく北に進むと、道路の右側に辺野古新基地の建設が予定されている大浦湾が広がる。太陽の光が海面にきらめき、静けさが漂っていた。地元紙は、週明けに本格的な海上作業が始まると報じている。「この美しい海を埋め立てる基地建設には反対です」

 ゲート前に戻り、午後三時に帰りのバスへ。近くに座った浦添市の佐々木弘子さん(76)は、戦争孤児だという。「戦争への憎しみが体に染み付いている。若い人たちのためにも、今私たちが騒がないでどうするの」と語った。

 翌二日、地元の住民の思いを聞くため、キャンプ・シュワブ近くの集落を訪れた。

 「もろ手を挙げて米軍基地が来てくれという気持ちは一切ない。戦争につながるものはないほうがいい。でも…」。十数軒残る飲食店が加盟する辺野古商工社交業組合の前会長、飯田昭弘さん(68)は話し始めた。

 ベトナム戦争のころはドルが街にあふれた。にぎわった街も、今は人口減少に苦しむ。「反対するのは認める。でも、この地の将来も考えてほしい」

 

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