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【社会】

辺野古、海上工事を本格化 反対の市民が海上で抗議

海上工事に抗議するカヌー(手前)を監視する海上保安庁の船=7日午前、沖縄県名護市辺野古沿岸部で

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 政府は七日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先とする名護市辺野古(へのこ)の沿岸部で、埋め立てに向けて汚れの拡散を防ぐ膜を海中に張る際の重りにする大型コンクリート製ブロックを海底に設置する作業を始めた。六日に始まった海上工事の本格化で辺野古移設に反対する沖縄は強く反発し、政府との対立が深まりそうだ。

 埋め立て区域に停泊させたクレーン船から海中に沈めた。約三カ月かけて、一個十数トンのブロック二百二十八個を海底に据え付け「汚濁防止膜」を取り付ける。完了後、護岸造成に入り、埋め立て、舗装の順に工事を進める計画だ。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は七日の記者会見で「関係法令に基づいて自然や生活環境に最大限配慮し、工事を進めていきたい」と述べた。

 埋め立て予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブのゲート前には約百人の反対の市民らが集まり、抗議の声を上げた。翁長雄志(おながたけし)知事は登庁時、記者団に「後で(報道向けに所感を)報告する」と述べるにとどめた。

 工事主体の防衛省沖縄防衛局によると、ブロックは五日、巨大な台船で工事水域に運ばれ、六日に一部がクレーン船に移された。

 政府は二〇一五年十月、キャンプ・シュワブ陸上部分から普天間飛行場代替施設の本体工事に着手。今月六日に海上での工程を始めた。本体工事の工期は五年を見込んでいる。

     ◇

クレーン船から海中に沈められる大型コンクリート製ブロック

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 名護市辺野古の大浦湾に巨大なコンクリート製ブロックの投下が始まった。現場海域には反対の市民らの小型船やカヌーが集結する一方、湾に近い米軍キャンプ・シュワブの正面ゲート前では市民らが抗議の声を強めた。

 「豊饒(ほうじょう)の海を子や孫に残したい」。そう話した宜野湾市の奥田千代さん(75)は、ゲート前に座り込み、二人の機動隊員に両腕をつかまれて引き剥がされた。

 「移設反対派が勝った選挙で県民の意思は何度も示しているはず。なぜ工事を強行するのか」。そうため息をついた。

 名護市の並里明達(なみさとめいたつ)さん(80)は、コンクリート製ブロック投下の一報を受け、正面ゲートから、大浦湾が見える数百メートル離れたゲートへと急いだ。「今の段階なら、まだサンゴの破壊を止められる」。キャンプに向かってそう訴え、「政府は話し合いに応じない。私たちはいかに工事の進行を遅らせるかを考えている。とても残念な状況だ」と悲しい表情を浮かべた。

 「きれいな海を残しましょう」。一部の市民らは七日未明からゲート前に立ち、通行車両やキャンプに入る車一台一台に拡声器で呼び掛けていた。

 沖縄県警の機動隊数十人が投入されたのは午前九時すぎ。三列に並んで座る市民の手足を持つなどしてゲート前から排除した。頭を打ったと訴えた反対の市民の男性一人が救急車で搬送された。 (皆川剛)

 

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