東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

政府の「共謀罪」創設理由を疑問視 「現行法でテロ対応可能」

◆オウム事件担当・落合元検事

 「共謀罪」と趣旨が同じ「テロ等準備罪」の必要性を巡り、政府が現行法で対応できないテロ対策の穴として示した三事例について、元東京地検検事の落合洋司弁護士は九日、「共謀罪がなければ不十分というわけではなく、取り締まりに穴が生じる状況にもない」と述べ、現行法や法改正で対応できるという見解を示した。民進党法務部門会議で有識者として、共謀罪法案の問題点を指摘した。 (山田祐一郎)

 落合弁護士は、東京地検公安部に在籍した一九九五年ごろにオウム真理教関連の事件捜査を担当。当時、捜査機関が事前に発生を察知することができなかった経験から「テロは情報がなければ防止できない。共謀罪ができればテロを防げるというのは無理がある」と述べた。

 政府が、共謀罪創設の必要性として示す三事例のうち、地下鉄サリン事件を想起させる化学薬品テロについて「(殺傷能力の高い化学薬品の原料の一部を)入手した段階で殺人予備罪が適用できる」とみる。他の二事例についても「ハイジャックは殺人予備罪やハイジャック防止法の予備罪などが成立する。サイバーテロは、現行法の改正で対処できる」などと述べた。

 政府側が新たな案について「合意に加えて実行のための準備行為があって初めて処罰される」とこれまでの共謀罪との違いを強調するのに対し、「共謀だけで処罰は困難だが、共謀や準備行為らしきものがある段階で捜索や逮捕の令状は発付できる。従来の共謀罪と大きな差はない」と解説。「公安事件は関係先を捜索したり、アジトに入って情報収集したりするなど動くことに意味がある。動くためには事件を探して作らないといけない。共謀罪ができると、起訴は難しくても捜査できる範囲は広がる」と危ぶむ。

 テロ対策については「オウム真理教関連事件では情報を入手して生かす体制が不十分だった。東京五輪に向けては、共謀罪ではなく、複数の機関が連携して情報を共有し、生かすことが急務だ」との見方を示した。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by