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【社会】

山手線新駅の駅名は? 地元住民のキャンペーン熱く

新駅名「高輪」をアピールする高輪泉岳寺前商店会の石川進会長=東京都港区高輪で

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 JR山手線と京浜東北線の品川−田町間で建設工事が始まった新駅。東京五輪・パラリンピックが開催される二〇二〇年の暫定開業に向け、地元・東京都港区では人々の関心が駅名に注がれている。「高輪」「芝浦」など「わが街」の地名を冠したい人たちがいる一方、近くにある赤穂浪士で有名な泉岳寺を挙げる人もおり、百家争鳴の状態になっている。 (梅村武史)

 「命名運動」をいち早く始めたのは、新駅の西側にある港区高輪地区の住民ら。九つの商店街が結束し、地区内にポスターを張る大キャンペーンを展開した。一四年に新駅の計画が発表されると、千人分を超える署名を集め、区議会に「新駅名をJR高輪駅とする」とした請願を出し、採択された。

 隣の品川駅も高輪にある。まとめ役の一人、高輪泉岳寺前商店会の石川進会長(54)は「戦国時代から続く伝統の地名を駅名にできるラストチャンス」と意気込む。署名は現在、一万人分を超えているという。

 対抗するように昨年、新駅北部の芝浦地区の一部住民が区議会に「芝浦」を掲げた請願を提出し、継続審議中だ。代表者のNPO法人理事長、渡辺正治(まさはる)さん(70)は「地元愛から動いた。地域おこしにつながれば」と熱く語る。

 一方、泉岳寺の前で土産物店を営む小泉陽一さん(68)は「泉岳寺がいい」と主張する。新駅の西約三百メートルの場所に京急線・都営浅草線の泉岳寺駅があることから「土地勘のない人も乗り継ぎがしやすい」と利点を話した。

 地元の人々によると、新駅が所在する「港南」や、区内最古の地名の一つとされる「三田」も挙がっている。有名な古典落語の「芝浜」を推す声も。舞台となった「芝の浜辺」が新駅辺りにあったという。

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 ただ、命名権を持つJR東日本の広報部は「選考方法も含めて決まっていない」としている。過去のケースでは、関係自治体や地域住民などの意見を聞き、開業の一、二年前に決めるのが一般的という。港区も「決定権はJRにある」(新宮弘章・区長室長)と静観の構えだ。

 鉄道に詳しいトラベルライターの横見浩彦さん(55)は「駅名が住民の争いの種になってほしくない。『新東京駅』や『東京五輪駅』といった地名とは関係のない駅名を考案する手もある」と話した。

<JR山手線・京浜東北線の新駅> 1971年開業の西日暮里駅(東京都荒川区)以来となる山手線30番目の駅。JR東日本が2020年春に、品川−田町間の品川車両基地の一角に暫定開業させる予定。基地跡地では、山手線と京浜東北線の線路を東に最大120メートル移設し、東京ドーム2・8個分に相当する約13ヘクタールの開発用地を造り出す。一帯の基盤整備は都市再生機構(UR)が担当し、計画では高層ビル7棟が建てられる。

 

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