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【社会】

シリアの若者を「留学」で救う NPOと語学学校連携、民間で初

留学を希望するシリア人(手前)を、トルコで面接する難民支援協会のスタッフ。奥の映像はインターネットで参加した日本のスタッフ=難民支援協会提供

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 シリア難民の受け入れが世界的な課題になる中、認定NPO法人「難民支援協会」(東京都新宿区)と、首都圏や関西の日本語学校二校が今春、隣国トルコで避難生活を送るシリア人の若者六人を留学生として受け入れる。協会によると、NPO法人と学校が連携した受け入れは初の試み。協会の石川えり代表理事は「民間による多様な受け入れが、全国で取り組まれるよう願っている」と話している。 (飯田克志)

 法務省によると、日本へのシリア難民の難民申請者は、二〇一一〜一六年(速報値)で計六十九人だが、実際に難民認定されたのは一四〜一六年で計七人にとどまる。

 難民支援協会はシリア人に留学生として来日してもらい、実質的に難民の受け入れを増やそうと、昨年八〜九月に専用サイトで募集。トルコなどから応募のあった二百十二人の中から、書類選考や面接で六人を選んだ。十〜二十代の男女各三人の六人で三月末に来日する予定だ。

 日本語学校に加え、非政府組織(NGO)や企業などから資金援助を仰いだ。来日が決まった若者は「日本で日本語を学べるのは夢のようだ」と話しているという。

 首都圏の日本語学校では四人が学ぶ。就学期間は四月からの二年で、学費と来日渡航費は免除される。生活費や寮費はアルバイトなどで自己負担する。

 協会と学校は生活面や心理面も支援する。日本語学校で学んだ後の大学進学もサポート。一年目の状況を踏まえ、来年以降の受け入れ人数増を検討する。

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 一一年に内戦が始まったシリアでは、人口約二千二百万人の半数以上が国内外で難民になっている。協会によると、難民に寛容なカナダは一五年の一年間で、シリア難民を約二万人受け入れた。

 シリア人以外も含めた世界各国から日本への難民申請者は昨年初めて一万人の大台を超えたが、認定は一〇年以降、六〜三十九人にとどまる。全国難民弁護団連絡会議代表世話人の渡辺彰悟弁護士は「シリア難民に限らず、日本政府は、母国の政府から特定の個人として迫害されているのかを重視し、難民認定されにくい」と話す。

 法務省によると、一一〜一六年に難民申請を受けながら認定しなかったシリア人五十二人についても、人道配慮などで在留を許可している。また文部科学省などは四月から、国費外国人留学生制度などで、五年間でシリア人留学生百五十人を受け入れる。

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<シリア内戦> 中東民主化運動「アラブの春」がシリアに波及し、2011年3月から反政府デモが本格化。アサド政権の武力弾圧に対し反体制派が武装闘争を始め、12年半ばまでに内戦に陥った。混乱の中で過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭し、「国家」樹立を一方的に宣言。アサド政権を支えるロシアは15年9月に軍事介入、昨年12月には政権側が北部の要衝アレッポを制圧し、情勢は政権側優位に大きく傾いた。国連などの仲介による停戦と停戦崩壊が繰り返され、死者は40万人以上とされる。 (共同)

 

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