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【社会】

「共謀罪」創設の改正案 専門家ら警鐘「密告推奨の社会に」

共謀罪に反対し、記者会見する戒能通厚さん(中)ら=東京・霞が関の司法記者クラブで

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 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の全容が明らかになった二十七日、専門家からは処罰対象の広さや監視社会につながる危険性に対する懸念の声が相次いだ。弁護士や学者らでつくる法律家の六団体は、共謀罪法案に反対する共同声明を発表した。 

 「準備行為に『その他』とあるのでどんな行為も含まれる」。日本刑法学会理事の松宮孝明・立命館大教授(刑事法)は、準備行為の幅広さを危惧する。条文に、組織的犯罪集団に不正な利益を得させたりすることなどを処罰する項目がある点について「自らメンバーでなくても組織的犯罪集団のためになる行為が処罰される可能性があり、対象が広がる」と指摘。対象犯罪についても「線引きする理由がよく分からないものが多い」と疑問を呈した。

 法案には、国外での犯罪を処罰できる国外犯の規定や引き渡しの規定がある。松宮教授は「友だちの友だちが海外のテロリストだった場合、知らぬ間に組織的犯罪集団のメンバーとして国際組織犯罪防止条約の加盟国から捜査の対象とされる可能性もある」と話す。

 同学会理事の葛野尋之(くずのひろゆき)一橋大教授は「計画があったかどうかを捜査するには、通信傍受や位置情報探知などを秘密裏に行う情報収集がなされる可能性がある」と問題視。自首することで刑が減免される規定により「密告が推奨される」と監視社会へ変貌することへの危機感を口にした。

 また、日弁連共謀罪法案対策本部副本部長の海渡雄一弁護士は法案に「テロ」の定義も文言も含まれていないことについて「『テロ等準備罪』という看板と中身がまったく一致していない。テロ対策のための法律であることが、法案そのものからは読み取ることができない。テロ等準備罪という説明が一体何だったのか疑問だ」と首をかしげた。

 

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