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【社会】

森友学園と国 鴻池氏側が仲介 陳情記録に用地交渉、接触25回

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 学校法人「森友(もりとも)学園」(大阪市)が大阪府豊中市の国有地を評価額より大幅に安く取得した問題で、本紙は鴻池祥肇(こうのいけよしただ)元防災担当相側と学園の籠池泰典(かごいけやすのり)理事長らのやりとりを記した陳情整理報告書の写しを入手した。鴻池氏の神戸事務所が籠池氏や国側などと接触した回数は記録上、二年七カ月に二十五回。「何とか働きかけしてほしい」という籠池氏の露骨な要望も記録されている。鴻池氏の秘書は二日、本紙の取材に応じ、報告書を書いたことを認め「(財務省近畿財務局などへ)要望を伝えた」と語った。

 報告書はA4判六ページ。二〇一三年八月五日〜一六年三月十五日のやりとりが手書きされている。鴻池氏側と籠池氏の接触の記録は十五回。この間に学園は国有地の定期借地権契約を結ぶが、同年三月十一日に敷地で新たなごみが見つかる。

 報告書は「小学校設立希望の件 豊中市の国有地借地を希望」で始まる。九月九日には「財務局より、七〜八年賃借後の購入でもOKの方向」との記載。「賃借料をまけてもらえるようお願いしたい」という籠池氏の要望も書かれている。

 払い下げ交渉が難航した時期には、近畿財務局の担当者の「前向きにやって行きますから」という発言も。これに「話の分かる役人さんです」という鴻池氏側のコメントが付記してある。

 一三年から一五年にかけ籠池氏側は「政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい」「賃料年約四千万円の提示あり。高すぎる。何とか働きかけしてほしい」と繰り返し要望。鴻池氏は一日の会見で、この間の一四年四月に東京の事務所で籠池氏夫妻から紙包みを差し出されたが受け取らなかったと明かした。この面会は記録にない。報告書には「どこが教育者やねん!」「ウチは不動産屋ではありません」などの鴻池氏側の愚痴も随所にみられる。

 一五年一月九日の面会の後、小学校新設計画は順調に進む。同月二十七日に大阪府私立学校審議会が条件付きで設立を認可。二月十日に国有財産近畿地方審議会が賃借を了承した。五月の契約では賃料が年二千七百三十万円だった。

 入手した報告書は、敷地から新たなごみが見つかった直後まで。学園側はその後、ごみ撤去費を差し引いた一億三千四百万で国から土地を購入した。

◆秘書「要望を伝えただけ」

 鴻池祥肇元防災担当相の公設秘書が二日、本紙の取材に、森友学園の国有地取得問題で、学園の籠池泰典理事長からの陳情整理報告書を作成したことを認め、財務省近畿財務局などの担当者に籠池氏からの要望を伝えたと明らかにした。

 秘書は、鴻池氏の地元・神戸事務所に勤務する古参の男性秘書。秘書によると、籠池氏から要望を受けると、近畿財務局などの担当者名と連絡先を聞き取った上、財務局に電話をして取り次いだ。籠池氏との直接の面会は一、二回で、ほとんどは電話だった。

 秘書は取材に「何かしてほしいということではなく、要望してきたことを(財務局などに)伝えただけ」と説明。財務局が国有地の賃貸を認めるなど要望に応じた対応をしたことについては「判断は役所の司(つかさ)、司がする。政治力を使ったことはないし、そのような政治力はない」と述べた。

 面談記録は、国会の事務所にも送り、鴻池氏が目を通せるようにした。鴻池氏自身が財務省などに仲介したことは「ない」とした。

 鴻池氏は麻生太郎副総理兼財務相の側近で、自民党内の麻生派に所属。麻生政権で官房副長官も務めた。

 

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