東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

難民ホームステイ 日本の扉開け  認定申請中 外国人孤独な生活…若者団体仲介役に

ホームステイを終えた別れ際、受け入れ先の男性(左)に駅で見送られ、男性の赤ちゃんを抱っこする難民申請中の男性(右)=東京都内で

写真

 来日間もない難民認定申請中の外国人に日本人家庭でホームステイしてもらう活動を、首都圏の若者団体が始めた。難民申請から半年間は就労できず、苦しく孤独な生活を送りがちな彼らに、家族のような触れ合いを提供しようと取り組む。(辻渕智之)

 ホームステイ二日目の今月上旬、難民申請中の中東の二十代男性に、記者が「日本に友人はいないの?」と尋ねた。「いません。いや、今ではYou(あなたたち)がいます」と、受け入れた夫婦に笑顔をみせた。昨秋、戦火を逃れ来日。夜は新宿駅で寝た。ホームステイで「生の魚を食べるの?」と驚き、すしを初めて食べた。

 この「難民ホームステイ」を始めたのは、首都圏の二十代の学生や社会人ら十人でつくる難民支援団体「WELgee(ウェルジー)」。昨秋以降、アフリカや中東出身の難民申請者八人に、日本人家庭を仲介。八人は数日〜数週間のホームステイを体験した。

 難民認定の審査は平均で半年以上。ウェルジーの渡部清花(さやか)さん(25)によると、寒さしのぎなどで朝から晩まで山手線に乗って過ごす申請者もいる。「日本社会の周りを灰色の高い壁が囲んでいる。楽しげな声は中から聞こえてくるけれど、入っていくドアがどこにあるのか分からない」と、疎外感を訴える人も。

 活動は、申請者と日本人家庭が「友人や第二の家族のようになってもらう」のが目標。申請者がホームステイ先の男性を「お父さん」と呼ぶようになったり、仕事先を紹介してもらったりした例もある。

 米国のトランプ大統領の政策をはじめ、難民排除の動きは世界にある。申請者を受け入れた横浜市の安藤昭太(しょうた)さん(35)は「おいしい物は同じようにおいしく食べ、全然違う世界の人ではなかった。頭の隅で彼らをもう少し気に掛ける社会になれば」と話した。

 問い合わせはウェルジーのメール=info@welgee.jp=へ。

 <難民認定制度> 国内での昨年の難民認定申請者数は1万901人で認定されたのは28人(速報値)。申請半年後から就労を認める制度改正が2010年にあり、翌年から申請者数は急増した。認定率の低さや申請者支援の不十分さが指摘される一方、出稼ぎや借金逃れ目的などの偽装申請も含まれる。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報