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【社会】

豊洲、ベンゼン基準値100倍 専門家会議「地下水管理稼働が影響」

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 東京都の築地市場(中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の地下水再調査で、環境基準の百倍となる有害物質のベンゼンが検出されたことについて、都の専門家会議は十九日、地下水の水位を一定に保つシステムの稼働が影響したと発表した。その上で、敷地内はコンクリートなどで覆って土壌や地下水を遮断しているため、「地上部は安全」と説明した。

 再調査では、二十九の観測地点のうち二十五カ所で基準を上回る有害物質を検出。前回九回目の調査でベンゼンが基準の七十九倍だった地点は百倍を検出した。別の地点でも基準の三・六倍のヒ素や、不検出が基準のシアンが確認された。

 九回目と今回は、一〜八回目の調査と比べて数値が急上昇した。専門家会議の委員は「過去の土壌汚染調査で把握できず、局所的に地下水の汚染が残っていた可能性がある」と説明。地下水をくみ上げる「地下水管理システム」が昨年十月に本格稼働したため汚染のある地下水が動き、数値が上昇したと分析した。

 一方で、地下水は飲用などに利用せず、地表から四メートル余はきれいな土を盛っているため汚染土に触れることはなく、地上の建物に地下水が流入するような問題もないと指摘した。土壌汚染対策法上の問題もないとの見解も示した。

 今回の再調査は信頼性を保つため委員が関与して四機関で分析した。一〜八回目と九回目以降の調査では、採水手順が異なっていたが、委員は「結果に影響はない」と結論づけた。

 専門家会議は今後も地下水調査を行い、推移を確認する。再調査に二カ月かかったため、四月に予定していた報告書の作成は遅れる見通し。小池百合子知事が移転の工程表で、「夏ごろ」としていた移転可否の判断時期にも影響する可能性がある。

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◆小池知事 迫られる「政治判断」

 豊洲市場の地下水再調査の結果を受け、小池知事は十九日、報道陣に「基準超を重く受け止める」と述べ、移転の判断時期については明言しなかった。

 豊洲市場の土壌汚染対策は、敷地全体を二メートル掘り、きれいな土を四・五メートル入れるという方法だ。それより深い部分も、汚染があれば除去した。都側は「法令を上回る対策」と説明する。だが、再調査結果は、汚染された地下水が部分的に残っていたことを示した。

 専門家会議は、土壌汚染対策自体は「しっかりできている」と評価。残った汚染は局所的とし、地上部は科学的に安全であると強調した。「安全と安心は別」としている小池知事にとっては、「東京の台所」を移しても都民の理解が得られるのか、という政治判断を迫られることになる。

 豊洲市場は維持費が巨額という懸念もある一方、築地市場でも土壌汚染の可能性や老朽化、耐震性不足といった問題を抱える。小池知事は移転を七月の都議選の争点にする意向も示している。 (内田淳二)

 

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