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【社会】

那須雪崩事故 ラッセル訓練を把握せず 栃木県高体連、教員に一任

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 栃木県那須町の雪崩事故で、死亡した八人が参加していた登山講習会の内容を当初の登山ではなく、積雪をかき分けながら歩く「ラッセル」訓練に変更したことを、主催の県高体連が事前に把握していなかったことが、県高体連幹部への取材で分かった。

 現場の教員に運営を一任していたといい、県警は高体連の安全管理が不十分だった可能性もあるとみて、業務上過失致死傷容疑で那須塩原署に特別捜査班を設置。悪天候の中で訓練を実施した経緯や判断について引率教員らから詳しく事情を聴いた。

 救助活動に参加した山岳救助隊のメンバーは二十八日、取材に「生徒たちはラッセル訓練の休憩中に雪崩に襲われたと話していた」と証言。県によると、生徒らは遭難時に位置を特定するビーコン(電波受発信器)を持っていなかった。消防は同日午前、雪崩の規模や状況を調べるため現場上空でドローンを飛ばした。

 安倍晋三首相は同日の参院決算委員会で、「再発防止を徹底するため、原因の徹底究明を行うとともに防災対策に一層の強化を図る」と述べた。

 高体連によると、登山講習会は一九六三年以降、今回の事故が起きたスキー場で毎年実施。登山経験の豊富な各校の教員が引率していた。

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 高体連の登山専門部委員長で山岳指導員の免許を所持し、大田原高などで山岳部顧問を二十年以上務めた男性教諭が、ここ数年の責任者だった。

 一方で、高体連は講習会の詳細な内容や参加者名も事前に把握せず、講習後に専門部から報告書の提出を受けるだけだった。講習内容の変更や中止の判断も現場の教員に一任されており、この日のラッセル訓練への変更も当日朝、現場の教員が判断したという。

 高体連の橋本健一会長は「危機管理で反省する点はある。過去の講習についても検証したい」と話している。

 県や県警によると、雪崩は二十七日午前八時半ごろ発生。ラッセル訓練中の八人が死亡したほか四十人が負傷し、うち七人が重傷とみられる。

 県警によると、死亡したのは、大田原高教員で山岳部顧問の毛塚優甫(ゆうすけ)さん(29)=同県大田原市=と、鏑木悠輔(かぶらぎゆうすけ)さん(17)=那須町=ら生徒七人。死因はいずれも圧死と判明した。

 現場周辺は当時、大雪が降っていた。専門家は表層雪崩の可能性を指摘している。

 

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