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【社会】

千葉女児殺害 ベトナム人両親の命名への思い…「なぜ」

父の実家に置かれたリンさんの遺影

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 【フンイエン=共同】子どもの日本での輝かしい未来を夢見ていた両親の願いは残酷に踏みにじられた。「娘が大好きだった日本で、なぜこんなひどい目に遭わなければならないのか」。千葉県我孫子市で殺害された状態で見つかったベトナム国籍の小三女児、レェ・ティ・ニャット・リンさん(9つ)の両親が四日、ベトナム北部フンイエン省の父の実家で共同通信の単独取材に応じた。

 取材に応じたのは父レェ・アイン・ハオさん(34)と母グエン・ティ・グエンさん。

 二人によると、リンさんはこの実家で生まれ、二歳の時に来日。グエンさんによると、当時からハオさんは日本で仕事をしており、「日本で輝かしい生活を送ってほしい」と「ニャット(ベトナム語で日本)・リン(同、輝き)」と命名。子どもにより良い教育を受けさせたいと、家族で日本に移住した。

 リンさんは人懐っこく、近所のお年寄りと仲が良かった。「故郷から離れていたので、自分の本当の祖父母のように思ったのでしょう」とグエンさん。ハオさんは「学校はほとんど休まず、特に図工の授業が好きだった」と話した。将来の夢は母と同じツアーガイドで「日本の友達にベトナムを紹介したい」と語っていた。一年前に松戸市に家を買い、新居での生活は幸せに満ちていた。

リンさんの墓の傍らに立つ父のレェ・アイン・ハオさん=いずれも4日、ベトナム北部フンイエン省で(共同)

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 リンさんが事件に巻き込まれたことを聞いた日は「夫は一日中、ほとんどわれを失っていた」(グエンさん)。リンさんの幼い弟は姉がいなくなった日以来、それまでの温和な性格が一変、攻撃的になったという。

 「私はこれまで、日本のことを素晴らしい国だと思っていた。罪のない少女が、なぜこのようなひどい目に…」とグエンさんは言葉を失った。ハオさんは「(事件当時の状況を映した)防犯カメラのデータがあったらぜひ送ってほしい」と、事件現場の近隣住民に協力を訴えた。

 現在、IT関係の自営業をしているハオさんの仕事の都合で、二人は近く日本に戻る予定。「本当は戻りたくない。事件のことを思い出してしまうから…。今も起こったことが信じられない」とグエンさんは語った。

 

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