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【社会】

男性カップルを里親認定 大阪市が「全国初」 社会の多様化反映

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 親の不在や虐待などから家庭で暮らせない子どもを育てる養育里親に、大阪市が三十代と四十代の男性カップルを認定したことが、市などへの取材で分かった。二人は二月から、市側に委託された十代の男の子を預かっている。厚生労働省は「同性カップルを認定した事例はない」としており、全国初とみられる。

 社会が多様化する中、市は二人の里親制度への理解、経済的な安定など生活状況を詳細に調査した上で認定した。

 自治体によっては、同性カップルを男女の結婚に相当する関係と認める動きもあるが、里親は夫婦や個人が認定されており、同性カップルに対し慎重な意見もある。

 認定された四十代男性は、共同通信の取材に「個人ではなく、一世帯として里親となったことがうれしい。(男の子が)学校や友達のことを話してくれると、安心して暮らせているのかなと思う」と話している。

 同性カップルでは、関東地方の女性二人がそれぞれ個人で認定された後、一緒に子どもを預かったケースがある。

 養育里親は児童福祉法の里親制度の一つで、原則十八歳未満の児童を引き取り、一定の期間育てる。同制度は国の基準を基に、都道府県や政令指定都市などが運営する。

 二人は二〇一五年秋、大阪市こども相談センターに里親希望者として申請。認定に必要な座学、施設見学などの研修や同センターによる調査を受け、市社会福祉審議会の審議を経て、一六年十二月二十二日付で養育里親に認定された。二月から男の子と三人で生活している。

 今回の事例は、性的少数者(LGBT)の支援を続ける大阪市淀川区が約二年半前に課題に着目。当時の区長らが同センターなどに働き掛け、意見交換を重ねていた。

 厚労省は、養育里親の認定要件として「保護が必要な児童への愛情があり、経済的に困窮していないこと」などと規定。同性カップルを除外する規定はないが、一五年三月一日時点で、子どもを預かる里親三千七百四世帯のうち三千二百十六世帯が夫婦で、他の四百八十八世帯は一人親だった。

<里親制度> 親の死亡や虐待などから、家庭での養育が困難な子どもを里親が育てる制度。虐待による影響や心身に障害があり、特に配慮が必要な子どもを預かる「専門里親」、養子縁組を前提とした「養子縁組里親」、親族が育てる「親族里親」、それ以外の一般的な「養育里親」の4種類がある。都道府県知事や政令指定都市の市長らが認定し、子どもの生活費や教育費を支給している。

 

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