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【社会】

「サポート詐欺」急増 不安をあおる巧妙な手口 記者が体験

サポート詐欺に誘導する画面。表示された番号に電話するとオペレーター役が応答する=東京都渋谷区で(一部画像処理)

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 パソコンを使っていて、不調を知らせる表示が突然出たら、誰もが焦る。そんな心理を悪用し、修理名目で金をだまし取る「サポート詐欺」が増えている。インターネットセキュリティー大手のトレンドマイクロ(東京)によると、昨秋から相談が急増し、今年二月までの半年で千五百五十件。同社の協力のもと、記者が詐欺実行者とみられる番号に「だまされたふり」をして電話すると、不安をあおる巧妙な手口が肌で感じられた。 (神田要一)

 「ウイルス感染により、不正ファイルが、お使いのコンピューターに改ざん行為を行っている」。トレンドマイクロの一室で、サポート詐欺の入り口となるメッセージを見せてもらった。

 ネット上にはサポート詐欺に誘導する不正広告があり、知らずに見ていると、こんな画面になるのだという。メッセージには「診断は無料」と、窓口の電話番号が示されていた。

 同社でサイバー犯罪対策の啓発を担う岡本勝之(かつゆき)さんの隣で記者は表示された番号に電話をかけた。

 応対したのは外国人と思われる女性。片言の日本語で「はい、テクニカルサポートです。お客さま、パソコンのセキュリティー対策が弱い可能性があります」と話す。何かを棒読みしているようだ。「海外でもサービスを展開し、この電話は東京から転送されている」と説明した。

 無料診断に必要と言われ、一般的な遠隔操作ソフトをネットで入手した。画面に出たパスワードを女性に伝えると、表示が動きだし、アルファベットの羅列と「エラー」の文字がずらりと並んだ。女性は「画像、動画を入手した時に入り込んだファイルが、問題を起こしている」として、「この先は有料」と言いだした。

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 修理に一万五千円、定期的なウイルス消去は二万〜三万円で別売り−。女性は次々に持ち掛け、クレジットカード決済を提案してきた。「お金がない」と断ると「分かりました」と電話は切れた。

 表示を見て動揺すると、金を払ってしまいそうだ。岡本さんは「オペレーター役が遠隔操作し、電話で不安をあおり、焦らせる。手が込んでいる」と解説した。今回は遠隔操作で「エラー」と表示させられただけで、実際にはウイルスには感染していない。不具合の画面が出ても、通信を切断すれば済んだ。

 岡本さんは「凶悪化し、遠隔操作でウイルス感染させて金を払わせる恐れもある」と警戒する。警視庁サイバー犯罪対策課は「最新版のウイルス対策ソフトを使い、表示された電話番号には連絡しないでほしい」と呼び掛けている。

 

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