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【社会】

川崎・踏切死亡 犠牲の児玉さん惜しむ「正義感強かった」

児玉さんら2人が死亡した京急線の踏切には、17日も花束が手向けられていた=川崎市川崎区で

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 川崎市の京急電鉄八丁畷(はっちょうなわて)駅前の踏切で男性二人が電車にはねられ死亡した事故で、高齢の男性を助けようとしてはねられたとみられる児玉征史(まさし)さん(52)が男性と踏切ですれ違った直後、引き返して事故に遭ったことが、神奈川県警川崎署への取材で分かった。防犯カメラの映像には児玉さんが男性とすれ違う際、男性を気遣うように視線を向けた様子が写っていたという。

 署は十七日、この高齢男性を川崎市川崎区に住む無職男性(77)と発表した。署は家族の話などから、男性が自殺を図った可能性があるとみて調べている。

 署によると、事故直前の防犯カメラの映像には、下りていない遮断機の手前に立つ男性と、反対側から歩いてくる児玉さんの姿が写っていた。児玉さんは、踏切を渡り切った辺りで男性とすれ違い、右に曲がって駅舎に向かうスロープを途中まで上がったが、引き返した。

 児玉さんが踏切に戻ると、男性が踏切内に立っており、遮断機は下りていた。児玉さんは遮断機越しに男性に話し掛け、踏切内に入った数秒後、二人とも電車にはねられ、死亡した。

 京急電鉄八丁畷駅前の踏切事故で死亡した児玉征史さんが勤務していた横浜銀行の同僚らは十七日、「正義感が強かった」「面倒見がよく、頼れる人だった」と口々に突然の別れを惜しんだ。

 横浜市西区の本店前では、出勤してきた男性(55)が「命を犠牲にしてまで人を助け、勇気のある人。ただ、残された家族のことを思うと、かわいそうでならない」と肩を落とした。男性は児玉さんと同じフロアで一緒に仕事をしたことがあるという。

 別の男性(62)も「多くの人から頼られていたので本当にショック。自分が同じ場面に直面しても同じようにはできなかった」と語った。

 横浜銀行によると、児玉さんは人財部の主任人事役で、新卒採用や社内人事に携わっていた。採用試験の際、世話になったという二十代男性は「『仕事のことで悩んでいないか』とよく声を掛けてくれた。正義感が強く、児玉さんらしい」と振り返った。

 

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