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【社会】

松戸女児遺棄事件 水谷修さん、尾木直樹さんが子どもたちへ伝言

 通学を見守る身近(みぢか)な大人さえ、子どもは信じてはいけないのか。いずれも教育評論家(きょういくひょうろんか)で、「夜回(よまわ)り先生」で知られる水谷修(みずたにおさむ)さん(60)と、「尾木(おぎ)ママ」こと法政大特任教授(ほうせいだいとくにんきょうじゅ)の尾木直樹(なおき)さん(70)に、子どもたちに贈(おく)るメッセージを聞いた。

◆人を信じることやめないで 水谷修さん

 とても悲しい事件でした。日本中の子どもたちが、人を信じられなくなっています。保護者や学校が、知っている人からでさえ「声を掛けられたら逃げなさい」と子どもに教えている話も聞きます。君たちは「保護者会やPTAの大人を信じないで、誰(だれ)を信じたらいいのか」と思うかもしれません。

 だけど、あえて言いたい。「悪い大人はほんの一握(ひとにぎ)り。何百倍もいい大人が君たちのそばにいて、守ろうとしている」と。人は人との触(ふ)れ合(あ)いでしか育たない。触れ合う中で優(やさ)しさが芽生(めば)え、人生(じんせい)の力になっていく。

 たった一人の悪い大人の行為(こうい)によって、人を信じるのをやめてしまったなら、それは間違(まちが)いでしかない。人を信じることをやめないでほしい。

 保護者の皆(みな)さんには、子どもが「大人が怖(こわ)い」と言ってきたら「いい大人も大勢(おおぜい)いる」と安心(あんしん)させてほしい。いい大人は「ついておいで」と言ったりはしない。そんな見分(みわ)け方(かた)を教えてあげてほしい。

◆ルール守って 地域信じて 尾木直樹さん

 今回(こんかい)の事件をもって大人に不信感(ふしんかん)を持つのは「絶対(ぜったい)に違(ちが)う」と言いたい。

 犠牲(ぎせい)になった女の子と通学途中(とちゅう)にハイタッチしていた見守り役の保護者会長が逮捕された事実に、皆さんは深く傷ついたことでしょう。信頼(しんらい)している人の中に怖い人がいると思いたくない気持ちは、痛(いた)いほど分かります。

 でも今回の事件は極(きわ)めて特異(とくい)で例外的(れいがいてき)。地域(ちいき)社会が協力(きょうりょく)して子どもを育ててきたことは、長い人類(じんるい)の歴史(れきし)なんです。それは、いささかも揺(ゆ)らいではいない。だから事件によって、絶望(ぜつぼう)しないでください。信頼できる大人は、常(つね)に近くにいます。

 一方で、地域の見守りで大事なのは学校と家庭の協力、そして地域のモラル。例(たと)えば、友達の親が遊びに連れて行くと言っても、勝手(かって)に出掛(でか)けてはいけない。自分の親の了解(りょうかい)を得(え)ること。そして保護者も、相手(あいて)の親に言わずに子どもを連れ出すことはご法度(はっと)。これは「人を疑(うたが)え」ということではなく、社会の基本的(きほんてき)なルールです。

 

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