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【社会】

性犯罪厳罰化「後回し」懸念 「共謀罪」本格審議入り

 性犯罪を厳罰化する刑法改正案の今国会での成立が危ぶまれている。十九日に本格審議が始まった、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を与党が優先したためだ。性犯罪に関する刑法の大幅な見直しは明治時代の制定以来。被害者は「現代に即した早期の改正が必要だ」と訴える。 

 「非常にショックを受けている。今国会で必ず成立させてほしい」。三歳から中学二年まで実父の性的虐待を受けた東小雪さん(32)は与党の方針に落胆を隠さない。

 刑法改正案が成立すれば、親が影響力を利用して十八歳未満に性的行為をした場合、暴行や脅迫がなくても罰することができるようになる。東さんは「まだ被害者がいない共謀罪法案をなぜ先に審議するのか。性犯罪の被害者は、この瞬間にも生まれている。救済する法律を一刻も早く成立させてほしい」と話す。

 刑法改正案では、女性に限られていた強姦(ごうかん)罪の被害者に男性も含まれる。

 東京都に住む五十代の男性被害者は「法案に盛り込まれなかった論点や、あらゆる被害者に配慮した支援策について、今国会でしっかり議論してもらいたい」と期待する。ただ、会期末までに十分な審議時間が確保できるかは不透明だ。

 与党は慣例に反し、刑法改正案より二週間遅く国会に提出された組織犯罪処罰法改正案を先に審議入りさせた。政治アナリストの伊藤惇夫さんは「永田町の常識から外れている。重要法案の刑法改正案を後回しにしてまで、なぜ共謀罪を成立させようとするのか。意図が分からない」といぶかしんだ。

 

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