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【社会】

福島・浪江の帰還困難区域 山林火災11日間消えず

福島県浪江町の山林で消火活動する陸上自衛隊員。通常の作業服の下に防護服を着ている=4日(陸自提供)

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 東京電力福島第一原発事故で帰還困難区域になっている福島県浪江町の山林で四月二十九日に起きた火災は、消火活動が難航し、九日夕時点でも鎮火できていない。一方、インターネットで「放射性物質が飛散する」といったうわさが飛び交い、県は測定データを公表し「現時点で影響はない」と説明している。

 県によると、焼失面積は五十ヘクタール以上とみられる。ヘリコプターでの散水と合わせて、陸上自衛隊や地元消防約三百人が現場に入って活動している。しかし帰還困難区域は除染が手付かずで、長期間人が立ち入っていないため、通常の山林火災とは異なる対応を強いられている。

 隊員らは通常の作業服の下に白い防護服を着て、ゴーグルやマスクを装着。現場は水の便が悪く、水の入った袋やタンクを背負い整備されていない山道を進む。熱中症対策もあり、二時間ほどで作業を交代している。

 地面には厚いところで約一メートルの腐葉土が積もり、表面から見えなくても掘り返すと煙が出ていることが多いという。

 六日には、ほぼ火が消える鎮圧状態となったが、その後も乾燥した空気や強風の影響で、一度消えた煙も再び立ち始める一進一退の状況だ。

 火災発生後、県は現場周辺の放射線量の測定結果から影響はないと否定していたが、火元付近の三カ所に測定機器を追加設置。ネットなどで「高濃度の放射性物質が花粉のように飛散する」などという情報が広がっていることにホームページでも言及し「現在、(そのような)事実は一切ありません」と明記している。県の担当者は「飛び回る情報に惑わされないよう、県民だけでなく県外の人にも正確な情報を発信したい」と話す。

 和歌山県の夕刊紙紀伊民報はコラムで「放射性物質が飛散する」などと記述したことに批判が相次ぎ、九日付紙面で「多くの方に心配をかけ、迷惑をかけた」と陳謝した。

 放射性物質の状況や火災の影響は、林野庁も鎮火後に現場に入って調査する方針だ。

 

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