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【社会】

ニセ電話詐欺 格安スマホの悪用急増 違法契約が横行か

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 通話料金が安い格安スマートフォンを使ったニセ電話詐欺が、東京都内と神奈川県内で昨年秋ごろから急増していることが、警察への取材で分かった。契約申し込みが主にインターネットで行われるため、詐欺グループが本人確認の甘さを突いて偽造免許証などで違法に端末を入手し、警察の捜査を逃れようとしているとみられる。 (宮畑譲)

 こうした格安スマホの販売で利用者が増えている業者は、仮想移動体通信事業者(MVNO)と呼ばれる。警視庁と神奈川県警は、昨年一月以降にニセ電話詐欺で使われた携帯端末を分析。昨年一月はMVNOの割合は17%だったが、十月にはレンタル携帯や法人名義など他の端末を上回り72%に。以降は毎月半数以上を占め、今年一〜三月は65%だった。

 MVNOの多くは販売価格を抑えるため、店舗を持たず対面での本人確認を行わない。契約は利用者がネットで名前や住所などを入力し、運転免許証やパスポートなど顔写真付きの本人確認書類をデジタルカメラなどで撮影して添付する。捜査関係者によると、詐欺グループはこの際、偽造の運転免許証などを使う。実物は見破られやすいが、画像では判別が困難という。免許証の住所に空き家を使い、契約後の端末の受取先としているケースもある。

 MVNOに回線を貸している「キャリア」と呼ばれるNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手三社もネットで契約できるが、神奈川県警の捜査幹部は「キャリアは本人確認を厳しくしてきたノウハウがある。急拡大したMVNOには経費、人材の問題で審査の厳格化が追いついていない事業者もあるのでは」とみる。

 警察や監督官庁の総務省は、怪しい契約者が見つかれば対面や電話で本人確認をするよう事業者に求めているが、二〇〇七年にMVNOに参入したビッグローブ(東京)の担当者は「犯罪抑止には対面がよいが、人件費などコストがかかって価格に跳ね返り、悩ましい」と話す。

 別の背景として、詐欺グループへ不正にレンタル携帯電話を貸し出す「道具屋」と呼ばれる事業者の摘発に警察が力を入れているため、調達先をMVNOへ変えている可能性もある。

 捜査幹部は「詐欺グループはいつも社会の弱いところを狙う。ネット販売を規制する法律がない以上、チェックを厳しくしてほしい」と話している。

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<仮想移動体通信事業者(MVNO)> Mobile Virtual Network Operatorの略で、大手通信事業者(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)から回線を借りてサービスを提供する。ここ数年で回線の接続料が劇的に安くなり、新規参入が相次ぐ。多くが独自の料金体系で「格安スマホ」などを販売。総務省の統計では、MVNOのスマートフォンやPHSなどの契約数は、昨年12月時点で807万件で全体の5.3%。

 

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