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【社会】

加計学園新学部文書「書かれた内容 ほぼ事実」 実名記載の北村元自民議員が証言

北村直人・元衆院議員

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 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が、系列大学の獣医学部を国家戦略特区に新設する計画を巡る記録文書が存在した問題で、文書の一部に実名で登場する北村直人・元自民党衆院議員が十八日、本紙の取材に応じ、「文書の自分に関する部分はほぼ事実。昨年十月に文部科学省に伝えた内容だ」と証言した。 (小林由比)

 文書は、文科省が特区を担当する内閣府から「総理の意向だ」などと伝えられたことを示し、安倍首相の意向が同省の政策判断に影響を与えた可能性が出ている。民進党が入手し、菅義偉(すがよしひで)官房長官や文科省は文書を認めていないが、北村氏の証言により信ぴょう性が高まった。

 文書はA4判で八枚あり、北村氏は十月十九日付の一枚に登場。日本獣医師会顧問でもある北村氏が、学部新設を巡って三人の政治家の意見を聞き、文科省に伝えた内容をまとめた体裁をとっている。

 中身は(1)石破茂・元地方創生担当相から「党のプロセスを省くのはおかしい」と言われた(2)国家戦略特区を所管する山本幸三・地方創生担当相から「(新設のための)お金を心配している」と言われた(3)麻生太郎財務相から秘書を通じ「(やらない方向で)決着したと思っていた」と言われた−とされている。

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 北村氏は取材に「私の知る限りの情報を文科省に提供したものに、ほぼ間違いない。それを文科省がメモ書きしたものだろう」と話した。

◆文科省 昨秋に一転容認 「総理意向」文書時期と一致か

 加計学園が系列大学の獣医学部を新設する計画の国家戦略特区の導入に消極的だった文部科学省が昨年秋を境に、一転して容認していたことが分かった。「総理のご意向」などとして、文科省が作成したとみられる複数文書は、その内容から、秋ごろに作成したとみられる。 (中沢誠)

 加計学園の系列大学の誘致を目指す愛媛県今治市は、二〇一四年まで十五回にわたり、獣医学部の新設を構造改革特区で申請した。しかし、文科省は「特区になじまない」などとして否定的な態度を崩さず、実現しなかった。

 今治市が一五年六月に国家戦略特区への申請に切り替えてからも文科省は反対し、内閣府のヒアリングで反論を繰り返した。昨年九月十六日のヒアリングでも、「『既存の大学では対応が困難』という特区の条件を満たしていない」と主張し、新設に慎重姿勢を示した。

 獣医学部新設を巡り文科省が作成したとみられる複数の文書は、一部に十月の日付の記載があるほか、昨年十月二十三日投開票の衆院福岡6区補選に触れていることなどから、昨秋ごろの記録とみられる。一部には、内閣府からの伝達事項として「官邸の最高レベルが言っている。文科省メインで動かないといけないシチュエーションにすでになっている」などと記載され、獣医学部新設を巡り、内閣府が文科省に早期対応を迫っていたことがうかがえる。

 加計学園は一八年度開設を目標にしており、昨秋までに制度改正しないと間に合わない可能性が高かった。内閣府は昨年十月下旬に制度改正の原案を作成し、同月二十八日に内閣府から文科省に文案を示した。国会答弁によると、獣医学部の新設に反対していた文科省は十一月二日、制度改正に了承する旨を内閣府に回答。その一週間後、獣医学部新設を認める制度改正が決定した。

 

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