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【社会】

「こころの中に踏み込む共謀罪反対」 都内で日弁連主催の集会

 「盗聴と密告の監視社会になる」。有識者らの訴えに切迫感がにじんだ。犯罪の計画を処罰する「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案について、与党は十九日にも衆院法務委員会で採決する構えだ。十八日夕、国会に近い東京都千代田区内幸町では日弁連主催の反対集会が開かれた。

 会場は約六百人で超満員。映画監督の周防(すお)正行さん(60)は「僕は『組織的映像制作集団』の一員。警察、検察、裁判所批判の映画も撮っている」と、法案の組織的犯罪集団にされかねない危険性を強調。他の登壇者も「廃案に向けて闘い抜く」と訴えた。 (皆川剛、増井のぞみ、土門哲雄)

◆憲法学者・首都大学東京教授 木村草太さん

 声楽サークルが楽譜をコピーするため店に商品を探しに行ったら、著作権侵害の準備行為とされかねない。憲法19条の思想良心の自由に踏み込み、31条の罪刑法定主義に反して対象範囲が広すぎる。テロ行為を準備段階で処罰する法律は既にあり、不要だ。

◆元仙台地裁所長・弁護士 泉山禎治さん

 裁判所が(捜査が適正かを)チェックするから大丈夫だと言えるのか。資料の大半は警察の言い分で容疑者の弁解はないから、逮捕状請求を却下しづらい。逮捕後の勾留請求の却下も、全国の地裁で6%と少ない。共謀罪が施行されれば、逮捕も勾留も多くなる。

◆映画監督 周防正行さん

 共謀罪に賛成する政治家もやめれば一市民で、ご自分の権利に大きく影響する。有罪と決定する証拠は、当事者や関係者の自白、密告になる。供述しかない場合、冤罪(えんざい)が増える。共謀罪がある社会は危険。テロ対策にならない共謀罪には断固反対する。

◆映画監督 山田火砂子さん 

 私は85歳。戦前、作家の小林多喜二は(反戦の)本を書き、治安維持法違反で殺された。私は彼の母を映画化したが、母は子どもが生きて帰って来るのが一番。共謀罪には、子どもを亡くしたら一番悲しい思いをする母が反対して。政府のウソを見破って。

◆「共謀罪」きょう採決方針 衆院委で与党

 「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案を巡り、野党四党が提出した金田勝年法相の不信任決議案は十八日の本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの反対多数で否決した。民進、共産、自由、社民各党などは賛成した。与党は十九日の衆院法務委員会で「共謀罪」法案を採決する方針で、二十三日の衆院通過を目指している。

 本会議後の法務委理事懇談会で、与党は十九日の「共謀罪」法案審議を提案。民進、共産両党は同日に採決しないよう主張し折り合わず、鈴木淳司委員長(自民)が職権で委員会開催を決めた。

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