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【社会】

自衛隊根拠を9条に明記なら 統幕長「ありがたい」

 自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は二十三日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、安倍晋三首相が自衛隊を九条に明記した新憲法の二〇二〇年施行を目指すと表明したことについて問われ「一自衛官として申し上げるなら、自衛隊の根拠規定が憲法に明記されることになれば、非常にありがたいと思う」と述べた。

 自衛隊法は隊員の政治的行為を制限している。同法施行令では具体例として、特定の内閣を支持または反対したり、政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張したり反対したりすることを挙げている。最高幹部が公の場で、政権の進めようとしている改憲への賛意を明らかにしたことは、シビリアンコントロールや政治的中立の観点から論議を呼ぶ可能性がある。

 河野統幕長は「憲法は非常に高度な政治問題で、統幕長という立場から申し上げるのは適当でないと思っている」と断った上で述べた。河野統幕長は防衛大卒。一九七七年に海上自衛隊に入り、自衛艦隊司令官や海上幕僚長などを経て、二〇一四年十月から現職。既に一度定年が延長されており、安倍首相の信任が厚いとされる。

◆自衛官トップ 姿勢問われる

<水島朝穂(あさほ)早稲田大教授(憲法学)の話> 安倍晋三首相は、自衛隊の存在が違憲との主張があるから9条に「加憲」すべきだという論理を展開しているが、これは自民党改憲草案と異なり、自民党内でも合意されていない唐突な主張である。統合幕僚長は、この首相の論理に乗っかる形で心情を吐露したわけで、憲法改正を巡る特定の政治的主張に肩入れしたことになりかねない。憲法尊重擁護の義務がある公務員、しかも「(現行の)日本国憲法及び法令を順守し」と服務宣誓した自衛官のトップとしての姿勢を問われる。統幕長の今回の逸脱は、見過ごすわけにはいかない。

 

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