東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

GPS捜査の証拠を排除 「令状なしは違法」最高裁判断後、初

 警視庁が裁判所の令状を取らずに捜査対象者の車に衛星利用測位システム(GPS)端末を装着した自動車盗事件で、窃盗や覚せい剤取締法違反などの罪に問われた無職福間康成被告(48)に、東京地裁(島田一裁判長)は三十日、一部を無罪とした上で懲役四年(求刑懲役六年)の判決を言い渡した。

 最高裁は三月、「GPS捜査はプライバシーを侵害するため、令状がなければ違法」との初判断を示した。

 その後、令状がないままGPSを使った事件に判決が言い渡されるのは初とみられる。

 東京地裁の島田一裁判長は最高裁判例通り、GPS捜査の流れの中で得られた覚醒剤一袋や尿鑑定に関する証拠を排除し、覚醒剤の所持や使用などを認めなかった。

 公判で検察側は「プライバシーへの制約は大きくなく、違法性は重大ではない」と証拠から排除しないよう求めた。

 しかし判決は、被告や共犯者の車に約一年九カ月間、計約七十台のGPS端末を取り付けたことなどを挙げ「プライバシーを大きく侵害した」と指摘。さらに逮捕現場で警察官が被告らに拳銃を向けたことも違法と判断した。

 一方、有罪と認定したのは、二〇一三年八月〜一四年六月に関東や関西で繰り返した自動車や現金の窃盗。防犯カメラの映像などを証拠とした。

 弁護人の坂根真也弁護士は「最高裁判決に従った内容で、こちらの主張はほぼ認められた。地裁判決は、端末を長期間にわたって取り付けた捜査手法を悪質と判断し、捜査の行き過ぎに歯止めをかけた」と話した。

 <GPS捜査> 人工衛星を利用して正確な位置情報を特定できるGPSを利用し、捜査対象者の車などに小型軽量の発信器を取り付け、追跡する捜査。警察はこれまで、連続窃盗や組織的薬物・銃器犯罪、誘拐、産業廃棄物の不法投棄などの事件を対象に、速やかな摘発が求められ追跡が困難な場合に実施できる、としてきた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報



ピックアップ
Recommended by