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【社会】

<「共謀罪」論戦検証>(1)市民の声 審議につれ反対急増

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 「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法が政府・与党の強引な国会運営で成立した。市民や首相官邸、各省庁、与野党、国会の担当記者が国会論戦を巡る動きや問題点を検証する。

 「共謀罪」法の成立には、参院法務委員会での採決を省く「中間報告」という禁じ手が使われた。心の中や一般人の処罰につながりかねないといった危険性を認めぬ答弁や異例の採決強行に多くの市民が怒りの声を上げた。

 市民団体が三月から始めた反対署名運動。最初の二カ月で集まったのは約六十一万筆だった。しかし、衆院法務委でキノコ採りが対象になることや金田勝年法相の答弁の不安定さが明らかになり、五月十九日に委員会採決が強行された後、約八十二万筆も増えた。審議が参院に移ると、一週間足らずで約九万筆が上乗せされ、最終的に百五十三万四千五百筆に達した。十四、十五日は急きょ成立の流れとなったが、国会周辺に数千人が抗議に駆け付け、若者らが「説明できない法律はいらない」「国民をなめるな」と叫び続けた。

 「『双眼鏡を持っているかどうかで犯行現場の下見か花見か区別する』とか『一般人は対象にならない』とか、おかしな答弁ばかりであり得ない」。女性会社員(22)=東京都大田区=は成立後の十五日夜、初めて抗議集会に足を運んだ。小学四年の次男(9つ)を連れた母親(43)=中野区=は「子どもたちが何も言えない社会になるのが怖い」と声を上げ続ける決意を話した。

 二〇一三年の特定秘密保護法案審議中、自民党幹部がブログで「単なる絶叫戦術は、テロ行為とその本質においてあまり変わらない」とデモを表現した。法律が施行されれば、政府に抗議する若者は「一般人ではない」とみなされるかもしれない。監視を恐れて萎縮することもあるだろう。

 「民主主義って何だ」。若者らの抗議は決して大げさではない。彼らの不安や怒りを、政府は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。 (山田祐一郎)

 

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