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【社会】

沈黙の佐川新長官 国税庁就任1カ月 異例の会見なし

3月30日、参院財政金融委で、財務省理財局長として森友学園に関する質問に答える佐川氏

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 大阪市の学校法人「森友学園」と財務省の国有地取引問題で、売買交渉記録について「残っていない」という国会答弁を連発した佐川宣寿(のぶひさ)・前財務省理財局長が国税庁長官に就任して一カ月近く就任会見を開いていない。国税庁長官にとって、公の場で報道機関の質問に答える唯一の機会で異例の事態。庁内では「会見で森友問題に質問が集中する可能性があるので、開かない方が混乱を避けられる」という声もある。 (石井紀代美、白山泉)

 国税庁長官は一年程度の任期中、定例会見は行っておらず、本紙などが加盟する国税庁記者クラブは、佐川長官が五日に着任して以降、できるだけ早く就任会見をするよう同庁に求めてきた。同庁広報は取材に「諸般の事情で調整が長引いている。開かない可能性もある」としている。

 広報によると、長官の就任会見は慣例で、着任して二〜三週間後に開かれてきた。記録の確認できる二〇〇〇年代以降、すべての長官が行ってきたという。会見では、今後の抱負などに加え、趣味や座右の銘などを記者が質問してきた。

 佐川氏は、財務省理財局長だった今年二〜六月、森友問題で連日、国会答弁に立ち、国有地が八億円安く売却された経緯に関する野党の追及に対し、「規則にのっとって適切に処分した」などと主張。一方で、交渉過程で何が起きたのかについては「(交渉記録は)破棄した。残っていない」「(担当者の)記憶に残っていない」「政治家は関与していない」と繰り返すだけで、事実関係の説明を拒んできた。

 国民の疑問が解消されない中、佐川氏は理財局長から次官級の国税庁長官に昇格。理財局長からの昇格は四人連続だが、国民からは安倍晋三首相を守ったことへの「論功行賞」といった批判が上がり、国税庁にも苦情が寄せられている。今後、就任会見を開けば、記者から森友問題に質問が集中する可能性が高い。

 ある国税庁職員は「佐川長官になり、税務調査がやりにくくなった。長官が書類の廃棄を認めているので、調査対象者から『自分たちが書類を廃棄しても構わないだろう』というような嫌みを言われる。現場にも影響が出ている」と、困った表情で語った。

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