東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

ゼリア新入社員、13年自殺 「研修が原因」両親提訴

 東京都中央区の製薬会社「ゼリア新薬工業」に勤めていた男性社員=当時(22)=が自殺したのは、新入社員研修で強い心理的負荷を受け、うつ病を発症したのが原因だとして、千葉県在住の両親が八日、同社や、研修の一部を委託された同区のコンサルティング会社「ビジネスグランドワークス」(BGW)、当時の担当講師を相手取り、約一億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 遺族側の玉木一成弁護士によると、男性は二〇一三年四月、医薬情報担当者(MR)としてゼリア新薬に入社。研修中にうつ病を発症し五月十八日、研修施設から自宅に戻る途中、東京都新宿区内で自殺した。

 研修は複数の施設で四月一日〜八月九日に実施。このうち、BGWが請け負った四月十〜十二日の「新入社員意識行動変革研修」では、講師が新入社員らに、同期入社の同僚の前で「悩みをぶちまけろ」と、悩みや弱みを打ち明けるよう要求。男性は、吃音(きつおん)や過去にいじめを受けた経験を、告白させられたという。

 男性は研修参加報告書に「一番知られたくなかった同期に知られてしまい、ショックは数倍増しだった」などと書き残している。

 中央労働基準監督署は一昨年五月、意識行動変革研修での講師の発言が男性に強い心理的負荷を与えたとして労災認定した。この日都内で記者会見した男性の父(59)は「吃音やいじめは聞いたことがなく、講師に言わされたのかもしれない。会社は事実を明らかにしてほしい」と話した。

 ゼリア新薬は「訴状が届いておらずコメントできない」とする一方「四十年以上新人研修を実施してきた。自殺の原因は分かりかねる」としている。BGWは「研修が違法行為であるとされる事情はない。精神疾患の発症時期など時間的経緯に照らしても、研修と男性の自殺の間に因果関係を見いだすことはできない」と争う姿勢を示している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報