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【社会】

原発汚染車460台が外部へ 一部中古車市場へ 約190台を回収

 東京電力福島第一原発事故の当日に原発敷地内にあった車両のうち、社員の自家用車など約四百六十台が外部に持ち出され、一部は汚染されたまま中古車市場などに流通していたことが、東電などへの取材で分かった。避難や帰宅に使われた後、売却・転売されたとみられる。東電は約三年間の追跡調査で、国の基準値を超える放射線量が計測された約百九十台を回収したが、残り約二百七十台は基準値を下回ったとして回収していない。二台は今も行方が分かっていない。

 東電によると、基準値の十倍近い汚染が見つかったケースもあった。第一原発事故直後に敷地外に持ち出された車両を巡っては、元の持ち主だけでなく、中古車として購入した所有者が汚染を知らないまま被ばくする恐れがあることから国は事態を重く見て調査を指示していた。持ち出し台数が判明するのは初めて。

 東電の広報担当は「基準値を超えた車両はほぼ回収しており法的に問題ない。新たに見つかれば個別に対応している」としている。

 原発の敷地内で放射性物質が付着し、基準値を超える汚染廃棄物は外部への持ち出しが原発事故前から法令で禁じられている。さらに事故後、汚染された車両は、除染が必要となる基準値未満に線量が下がらなければ、避難区域外への持ち出しも禁止された。

 東電によると、事故当日に第一原発の敷地内にあった車両は約千七百台。十一日後の三月二十二日までは放射線検査をせずに外部に持ち出すことができたという。事故直後の混乱の中、約四百六十台が社員らの避難などに使用され、流出したとみられる。二十三日からは検査と除染を始め、線量が一定レベル以上の場合は外部に出さないようにした。

 東電は二〇一二年二月から調査を開始し、社員や協力会社へのアンケートを基に敷地内にあった車両を特定。約二年かけて中古車のオークション業界などの協力を得て回収を進めた。

 一五年四月までに、持ち出された車両の大半を確認。現場で検査して約百九十台を回収し、福島県の帰還困難区域内にある東電の敷地内で保管している。

 

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