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【社会】

隠れた才能引き出します 東大と連携 渋谷区が教育プロジェクト

東大の異才発掘プロジェクト「ROCKET」。「解剖して食す」というプログラムで小麦から小麦粉を取り出す子どもたち=東京都目黒区で(日本財団提供)

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 発達障害や不登校など現在の学校教育では対応が難しい子どもたちの力を引き出そうと、東京都渋谷区は、東京大学先端科学技術研究センター(先端研)と連携した新たな教育システムづくりに乗り出した。発達障害などで指導を受けていたり、学校を休みがちだったりする区内の小中学生に特別なプログラムを用意し、九月から受講希望者を募る。 (神谷円香)

 先端研は、突出した能力がありながら学校になじめない子どもを集め、「異才発掘プロジェクト(ROCKET)」と名付けた実践をしている。これまで、イカやカニを解剖して食べる実習、北海道までシカの角を拾いに行きナイフやフォークを作る研修などを行ってきた。

 特徴は「教科書はなく、自分たちで一から考えさせる内容」。宇宙飛行士の山崎直子さんや元五輪陸上選手の為末大さんら各分野の一線で活躍する人たちの講義もあった。

 自治体とROCKETの連携は、渋谷区が初めてとなる。プログラムはROCKETの内容に準じ、「子どもの個性をつぶさない学びの場」となることを目指す。

 対象は区内の小学三年〜中学三年のうち、(1)巡回指導教員による指導を受けている児童(2)情緒障害等通級指導学級に通う生徒(3)学校を長期欠席している児童・生徒。(1)と(2)は特別支援教育の一環で、(3)は学校長の判断で、プログラム受講が学校の授業に代わるものと認められる。

 区教育委員会で特別支援教育を担当する斎藤仁美(ひとみ)指導主事は「公教育として、より多くの子に多様な教育機会を確保することを目指したい」と話す。まずはニーズを探るため、三月までの半年間は希望者全員を受け入れる。ROCKETの立ち上げから関わってきた日本財団の元プロジェクトマネージャー沢渡一登さんは「公教育を補完するモデルに自治体も関心を持ち始めている。渋谷区の取り組みがモデルになり他の自治体にも示せればいい。いずれは今の特別支援教育の枠を超えた教育を目指したい」と話している。

<異才発掘プロジェクト(ROCKET)> Room of Children with Kokorozashi and Extraordinary Talents(志と突出した能力のある子どもたちの居場所)の略。能力はあっても十分に伸ばせる教育環境がない子どもに新たな学びの場をつくろうと、先端研と日本財団が2014年に立ち上げた。小学3年〜中学3年を対象に、これまでに1期生15人、2期生13人、3期生31人を選抜。月1回ほど集まりグループ活動や講義を受ける。計画書が通れば海外研修もできる。

 

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