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【社会】

無理して学校行かないで NPO呼び掛け「大人は居場所を」

Web版不登校新聞に掲載されている共同メッセージ

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 夏休み明けに子どもの自殺が増える9月1日前後に、首都圏で中高生の死亡が相次いだ。警察によると、いずれも自殺の可能性が高い。いじめや不登校などの問題に取り組む関係者らは悩む子どもたちへ向け、「無理して学校に行かなくてもいいんだよ」「ささいなことでも相談して」と呼び掛けている。

 「子どもたちには『学校か死か』ではなく、『学校に行かない』という選択肢が許されることを伝えたい」

 NPO法人「全国不登校新聞社」の石井志昂(しこう)編集長(35)は四日、取材にこう語った。自身も中学二年で不登校になったが、「許されないと思ってため込んでいた『学校に行きたくない』という気持ちを親に打ち明け、受け止めてもらったことで命を拾った」。周囲の大人たちには「原因探しの前に、安全第一。まずは子どもがいたい場所にいられるようにすることが大事」とアドバイスする。

 いじめ防止に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」の理事、小森美登里さん(60)は十九年前、学校でのいじめが原因で高校生の娘=当時(15)=を自殺で亡くした。「原因がいじめだったとしたら、その現場は学校がほとんど。夏休みに学校から離れてほっとしている心が、新学期が近づくにつれて不安が増して押しつぶされてしまうことがある」と話す。

 学校側には「いじめを把握していて状況が改善していないならば、教員から『無理して来なくていい。心配しなくていい』と子どもたちに伝えてあげてほしい」と呼び掛ける。

 不登校新聞社などNPO法人五団体は八月下旬、登校がつらい子どもたちに向けた緊急メッセージ「学校へ行きたくないあなたへ、味方はココにいます」をインターネットで公表。同新聞社などのウェブサイトに掲載されている。

 メッセージは、学校のことを考えるのがつらいのに「自分の味方なんていない」と感じている子どもたちへ「支えてくれる味方はココにいます」と呼び掛け、具体的な相談先として、無料で十八歳以下の電話相談に応じるチャイルドラインなどを紹介している。

 警視庁は相談電話ヤング・テレホン・コーナーで専門職員らが相談に応じる。少年育成課は「名前を明かさなくても大丈夫。どんなささいなことでもいいので、相談を」と話している。

◆夏休み明け 中高生自殺相次ぐ

 四日朝、東京都内と千葉県で、中高生三人が相次いで死亡した。墨田区では中学三年の女子生徒(14)がマンション十四階の自宅ベランダから転落。向島署によると、家族に「夏休みの宿題ができていない」と話し、自室に遺書のようなメモがあった。夏休み前には「勉強についていけない」と登校できなくなったこともあったという。

 江戸川区の公園の公衆トイレでは、区内の高校三年の男子生徒(17)が首をつっているのが見つかった。葛西署によると、進路に悩み、一日朝から行方が分からなくなっていた。

 千葉県船橋市では京成電鉄東中山駅で、県内の高校一年の男子生徒(16)が通勤特急にはねられた。船橋署によると、男子生徒は私服姿で駅のホームの端に立ち、運転士は「電車が通過する時に線路内に倒れてきた」と説明している。

 八月三十日から今月一日にかけても、都内と埼玉県で中高生四人が建物から飛び降りるなどした。

 東京都八王子市では一日午前、中学二年の女子生徒(13)が学校敷地内で倒れているのが見つかり、腰の骨を折る重傷。南大沢署によると、高さ十三メートルの四階音楽室の窓から飛び降りたとみられる。学校は二十九日に始業式があり、一日は通常授業だった。友人関係に悩み、直前まで他の女子生徒が相談に乗っていたという。

 都内ではこの他、三十日朝に台東区で中学二年の男子生徒(13)が、三十一日夜には渋谷区で高校一年の男子生徒(16)が死亡。いずれも自殺とみられる。

 埼玉県所沢市では三十一日午前二時ごろ、高校一年の男子生徒(16)が県営団地の前で倒れて亡くなっているのが見つかった。所沢署は飛び降り自殺を図ったとみている。高校は一日が二学期の始業式だった。

◆24時間子供SOSダイヤル (0120)078310

◆子どもの人権110番 (0120)007110

 (月〜金曜、午前8時30分〜午後5時15分)

◆チャイルドライン (0120)997777

 (月〜土曜、午後4時〜9時、18歳以下専用)

◆ヤング・テレホン・コーナー 03(3580)4970

 (年中無休、24時間)

 ※ヤング・テレホンのみ有料

 

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